薬剤を希釈せず誤投与、のち患者死亡 北九州の病院「因果関係ない」

小島達也
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 北九州八幡西区済生会八幡総合病院は1日、入院中の90代の女性患者に薬剤を希釈せずに投与するミスがあったと明らかにした。投与後、患者は死亡したが、病院は「誤投与が死亡原因ではない」としている。

 古森公浩院長らの説明によると、患者は3月、腹部の痛みなどを訴え入院。翌朝、血圧が低下しショック状態になったため、主治医は昇圧剤として使われる薬剤ノルアドレナリンを十数倍に希釈して投与する指示を出した。だが看護師が薬剤を希釈せずにそのまま投与し、患者は約4時間40分後に死亡したという。

 病院は「投与後、脳出血や致死的な不整脈が起きておらず、死亡の原因ではない」と説明。ただ、古森院長は「誤投与は事実であり、申し訳なく思っている」と述べた。

 病院は、口頭指示の原則禁止や看護師らのダブルチェックの徹底などの再発防止策を検討するとしている。

 一方で「医療事故には該当しない」として、予期せぬ医療死亡事故が起きた場合に義務づけられている第三者機関「医療事故調査・支援センター」への報告はしていないという。

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この記事を書いた人
小島達也
北九州総局長
専門・関心分野
まちの話題、地方自治、裁判