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法華の心を殺してはいけない

新池御書(新編1456頁2・全集1439頁2)

 倩(つらつら)世間の体(てい)を観ずれば、人皆口には此の経を信じ、手には経巻をにぎるといへども、経の心にそむく間、悪道を免れ難し。譬へば人に皆五臓あり。一臓も損ずれば其の臓より病出来して余の臓を破り、終(つい)に命を失ふが如し。爰(ここ)を以て伝教大師は「法華経を讃すと雖も還って法華の心を死(ころ)す」等云云。文の心は法華経を持ち読み奉り讃むれども、法華の心に背きぬれば、還って釈尊十方の諸仏を殺すに成りぬと申す意なり。縦(たと)ひ世間の悪業衆罪は須弥の如くなれども、此の経にあひ奉りぬれば、衆罪は霜露(そうろ)の如くに法華経の日輪に値ひ奉りて消ゆべし。然れども此の経の十四謗法の中に、一も二もをか(犯)しぬれば其の罪消えがたし。所以は何(いかん)、一大三千界のあらゆる有情を殺したりとも、争(いか)でか一仏を殺す罪に及ばんや。法華の心に背きぬれば、十方の仏の命を失ふ罪なり。此のをきて(掟)に背くを謗法の者とは申すなり

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