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【暇つぶし】カイジの限定ジャンケンで、確実に勝つ方法を考えてみる【ゲーム理論】

借金を背負ったカイジが、エスポワールに乗り込んで最初に挑戦することになるゲーム、それが「限定ジャンケン」だ。

ゲームのルールについて

このゲームについて知っている人も多いだろうが、一応簡単なルールを書いておく。

・複数人で行うゲームである
・参加者は3つの星と、グー・チョキ・パーの描かれたカードをそれぞれ4枚  ずつ与えられる
・手持ちのカードを用いて、相手プレイヤーと1対1のジャンケンを行う
・ルールはジャンケンと同じで、勝つと相手の星を奪うことができ、負けると星を失う
・あいこの場合は、カードだけが無くなり、星の移動は起こらない
・勝負に使用したカードは、結果に関係なく目の前で破棄される
・全てのカードを使用し終えた状態で、星を3つ以上持っていると勝利
・3個より多く星を入手すると、その数に応じてより多くの賞金が獲得できる

限定ジャンケンのルール

以上が、簡単なルールの説明だ。

「あいこ戦略」に隠された”罠”

ここで気づいた人もいるだろうが、星3個からスタートし、3個以上持っていればクリアなので、誰かと結託し、あいこを出し続ければ容易に勝利することができる。

実際にカイジも、安藤という人物から、この戦略を持ちかけられる。

その戦略はうまくいき、互いに星を失うことなく、手持ちのカードを3枚まで減らすことができた。

しかし、その次の勝負で安藤が”ミス”を犯し、カイジに勝ってしまう。

このままだとカイジが負けてしまうため、確実にカイジが勝てるように、安藤は自分が出すカードを事前に見せた。

それを見て、カイジは安藤のミスを許し、勝てるカードを選択する。

だが、またしてもカイジは負けてしう。目の前の状況に困惑するカイジに対し、安藤は自身のトリックを説明する。

実は、安藤はカードを2枚重ねてカイジに見せており、見せたカードを選択するフリをして、こっそり後ろのカードと入れ替えていたのだ。

そもそも、最初にミスを犯したのも、カイジから星を奪い取るための罠だった。

こうしてカイジは、カード1枚と星1個という、絶望的な状況に追い込まれてしまう。

裏切られる可能性

互いに協力し、あいこを出し続けるという戦略。完璧に思えるこの戦略は、なぜ破綻してしまったのだろうか。

理由は単純で、「裏切られる可能性を考慮していなかったから」だ。

たしかに2人の利益を最大化することだけを考えれば、この戦略は最適といえる。

ただ、個人の利益を考えると、相手を裏切って勝利することが利益を最大化する最も良い方法となる。

「ゲーム理論」とは?

こうした事象について考える際、役立つのが「ゲーム理論」だ。

ゲーム理論は、自分の取るべき戦略と、相手が取るであろう戦略を想定することで、ゲームの展開を予測することができる、という考え方である。

お互いに最適な戦略を取り、これ以上の変化が起こらないだろうという状態を、ゲーム理論では「ナッシュ均衡」と呼ぶ。

ジャンケンを例にとると、相手が出してくる手はわからないので、どの手を出しても勝つ可能性は同じである。だが、同じ手ばかりを出していると、相手にそのことを読まれ、負け続けてしまう。

自分の手を読まれないようにするためには、全ての手を均等(ランダム)に出すことが最善の方法となる。こうすれば、相手は次に何を出してくるかわからないので、(確率の上では)負け続けることはない。

そして、このような推論は相手も行っている。

そのため、お互いに全ての手をランダムに出して勝負することになる。

この状態が、「ナッシュ均衡」だ。

偏った手を出せば、そのことを相手に読まれてしまうため、お互いに戦略を変えることはできない。

本題:「限定ジャンケンで確実に勝利する方法」

選択の固定化

さて、ゲーム理論とナッシュ均衡の説明が終わったところで、限定ジャンケンに話を戻そう。

まず確認しておかなければならないのは、「あいこ戦略」はいつでも裏切られる可能性があるということだ。

安藤はたまたま、最後の最後でカイジを裏切ったが、場合によっては1手目に裏切られていた可能性もある。

「協力する」「裏切る」という選択が毎回存在しており、相手がどちらを選択するかわからないため、あいこ戦略は「ナッシュ均衡」とはいえない。

では、どうすれば相手の選択(と自分の選択)を固定化することができるだろうか。

1つの手を排除する

問題はとにかく、いつでも裏切られる可能性があることと、現実にそれが可能であることだ。つまり、裏切ること自体を不可能にしてしまえば、選択は固定化され、ナッシュ均衡に到達することができる。

ジャンケンは3つの手が存在し、どの手を選んでも負ける場合がある。しかし「グーとパーだけ」のように、1つの手を排除し2つだけにすれば、確実に負けなくなる手が生まれる。

では仮に、チョキを排除した場合を考えてみよう。

1種類の手を消すには、事前にそのカードだけを回収し、お互いに見えるかつ手の届かない場所に置き、勝負のたびに枚数を確認すれば良いだろう。カードを横並びにしておけば、触ることなく枚数を数えることができる。

こうすると、お互いの手元には「グーとパーだけが4枚ずつ」残ることになる。この時点で、お互いが取ることのできる戦略は「グーを出す」「パーを出す」の2種類だけになる。

「あいこ以上」が絶対条件

ここで注意しておかなければならないのは、仮に一度でも相手に負けてしまうと、相手に勝ち逃げされる可能性が発生することだ(他の参加者もいるため)。

つまり、勝負を続けるためには、確実にあいこ以上を出し続けなければならない。

そうなると、「グーを出す」のは「パーを出す」ことに比べて、明らかに劣った選択となる。そのため、パーのカードが尽きるまで、パーを出し続けるのが最適な戦略になる。

そして、相手もそのことを知っているので、同じようにパーを出し続ける。

ナッシュ均衡の成立

ゲーム理論の説明で言ったように、ジャンケンの最適な戦略は、ランダムに手を出し続けることである。そのため、カードが偏っている状態は、できるだけ避けることが望ましい。

しかし、この戦略ではどう頑張ってもカードが偏ってしまう。さらに、相手から星を奪う方法もないので、途中で勝負を抜けるという選択は、損にしかならない。

結果として、自分も相手も途中で勝負を抜けることができず、パーのカードを全て消費した後、グーのカードも使い切ることになる。最後に、残ったチョキのカードを全て消費するまで、お互いに戦略を変えることはできない。

つまり、パーのカードを全て出し、グーのカードを全て出した後、チョキのカードを出すことが最適な戦略となる。それは相手も同じなので、この戦略では「ナッシュ均衡」が成立する。

星を4つ以上にするには?

相手を騙し、星を奪い取ろうとする安藤はこの戦略に乗らないだろう。しかし、会場には他の参加者もいるので、同意してくれる人を探せば、確実に勝利することができる。

ゲーム理論では、相手が自分より愚かであると想定することはないので、3つ以上星を獲得しようと思うと、運の勝負を持ちかけるしかない。

もし、確実に相手に勝つ方法が存在するなら、相手もその戦略を採用するので、矛盾が発生してしまう。そのため、確実に勝てる方法は原理的に存在しない。

知識の大切さ

カイジがゲーム理論を勉強していたなら、この方法で借金を完済することができ、ギャンブル地獄に巻き込まれることもなかっただろう。

だが、弱者であったために、安藤に騙され、帝愛グループ(カイジが借金をしている会社)にもいいように使われてしまう。

「耳を傾けるべきは、他人の御託じゃなくて、自分……オレ自身の声! 信じるべきは、オレの力……!」

エスポワールでカイジが言ったセリフ

このことにもう少し早く気づいていれば、カイジの未来も変わったのかもしれません。


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