【独自】ダイニー“AI活用で社員2割リストラ”の実態は「退職強要」だった!その手口とは?「違法性が高い」と弁護士が警鐘
飲食店向けモバイルオーダーで急成長したスタートアップ、ダイニー。昨年9月には大型の資金調達で注目を浴びたが、8月6日に山田真央CEOが“AIリストラ”に関するnoteを公開しSNSで炎上した。さらに取材で判明したのは、退職勧奨と称しながら実態は違法性の高い退職強要だったことだ。(ダイヤモンド編集部 永吉泰貴) ● ダイニーCEOのnoteが炎上 実態は悲惨な“退職強要”だった 飲食店向けのモバイルオーダーで急成長を遂げてきたスタートアップが、大きく揺らいでいる。 2018年、山田真央CEO(最高経営責任者)が立ち上げたダイニーは、QRコードをスマホで読み込み、LINE上から料理を注文できるモバイルオーダーを展開。来店履歴や注文データを活用し、リピーターの分析やメニューの最適化、再来店を促す施策を可能にしてきた。導入店舗は約3000に拡大し、飲食業界の効率化をけん引する存在として脚光を浴びてきた。 その勢いは資金調達にも表れている。24年9月のシリーズBラウンドでは74.6億円を調達。ベッセマー・ベンチャー・パートナーズとヒルハウス・インベストメント・マネジメントがリード投資家に名を連ねるなど、世界的名門VCからも有望株と目されていた。 だが今、その行方に暗雲が垂れ込めている。発端はトップの発信だった。 山田CEOは8月6日、「レイオフを伝えるという仕事」と題したnoteを公開。生成AIの進展を理由に社員の約2割に退職勧奨を行った経緯を説明したが、配慮を欠いた内容がSNSで炎上した。 波紋は社内にも及ぶ。ある社員は「突然の大量リストラに加え、それを誇らしげに語る社長のnoteが火に油を注いだ。社内の士気は一気に冷え込み、社長の下では働けないと転職活動を始める人も出ている」と語る。 実は混乱の背景には、さらに深刻な事情があった。複数の関係者によれば、ダイニーが実施したのは表向き退職勧奨だが、実態は違法性の高い退職強要だったのだ。 ● 退職要求は青天の霹靂 合意を拒めば強制異動 退職勧奨の対象となった一人は「退職勧奨に関する事前説明もなく急に呼び出され、何の話かも分からないまま急に退職合意書を突き付けられた。退職を判断する十分な期間もなく、拒めば今の仕事を続けられないことを示唆されたため、多くの社員が超少額の特別退職金で合意せざるを得ない状況に追い込まれていた」と打ち明ける。実際、退職を拒んだ社員はチームを外され、追い出し部屋へ異動させられた。 ダイニーの退職勧奨について、東京スタートアップ法律事務所の後藤亜由夢弁護士は「手続き面での違法性が高い」と指摘する。 本来、退職勧奨は本人の自由な意思決定に基づく合意が前提だ。そのプロセスが社会通念上の相当性を逸脱している場合、違法な退職強要に該当し、会社側が不法行為責任を負うと共に、違法解雇と同様に扱われて退職合意が無効・取消の対象となる場合がある。 しかしダイニーの手法は、その原則を大きく逸脱していた。退職勧奨の違法性に関する認識についてダイニーに質問状を送付したが、広報からの返答はなかった。 【詳しくは…!】《内部資料入手》ダイニー「恐怖の退職パッケージ」の全貌、退職勧奨の真相は“退職強要”だった!超少額手当で即時退職要求、拒めば強制異動で追い出し部屋へ ▼▼▼ダイヤモンド・オンラインの新連載『スタートアップ最前線』内の特集『ダイニー“AIリストラの虚構”』第2回以降では、独自に入手した社内KPI(重要業績評価指標)の実数値や山田CEOの社内発言、関係者への取材を基に、引き続き同社の退職勧奨の内実を明らかにする。取材で判明したのは、山田CEOが主張する生成AIの進展は退職勧奨とほとんど結び付かず、実際には事業不振や採用急拡大によるKPIの鈍化、それに対する海外投資家からの強い圧力こそ根本的な要因だったということだ。▼▼▼ Key Visual by Noriyo Shinoda
ダイヤモンド編集部/永吉泰貴