40度以上が最多の夏 9月も猛暑日続く予想 #エキスパートトピ

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
この先一週間の天気と最高気温の予想、ウェザーマップ作画

8月最終日にもかかわらず、名古屋では最高気温が40度に達しました。名古屋で40度以上となったのは2018年以来7年ぶり、2度目です。

エルニーニョ現象も、ラニーニャ現象も発生していない、平常な状況にあるなかで、極端な暑さが続いています。

この夏の特徴とこの先の見通しをまとめました。

ココがポイント

今年も暑さが災害級だ。8月の終わりに、猛暑が収まるどころか拍車がかかっている。
出典:ウェザーマップ 2025/8/31(日)

今年の暑さの大きな要因として考えられるのが、「偏西風」の影響です。
出典:TBS NEWS DIG Powered by JNN 2025/8/29(金)

向こう1か月の気温も、全国的に暖かい空気に覆われやすいため高い状態が続く見込み。
出典:ウェザーマップ 2025/8/28(木)

エキスパートの補足・見解

■平常な年でも異常な暑さ

この夏の日本の平均気温は基準値を2.36度上回り、これまでの記録を大幅に更新しました。国連のグテーレス事務総長が「地球沸騰化」と危機感をあらわにしたのが2023年、そして、福岡県太宰府市で40日連続の猛暑日となったのが2024年でした。今年はこれらをさらに上回る暑さとなったのです。

2023年と2024年はエルニーニョ現象が大きく影響しましたが、今年はエルニーニョ/ラニーニャ現象が発生していない、平常な状況です。なぜ、これほどまで暑くなったのか。地球温暖化や海洋熱波など、さまざまな要因が重なった結果とみられていますが、決め手に欠ける思いです。

■40度以上の日が過去最多

この夏の特徴をひとつ挙げるとすれば、40度以上の日が非常に多かったことでしょう。過去最多の9日間、13都府県で、40度以上が観測されました。30度以上の真夏日が涼しく感じてしまうから不思議です。

■彼岸の頃まで猛暑続く

9月も全国的に気温の高い状態が続くでしょう。太平洋高気圧の後退が平年よりも遅くなるのは確実で、少なくとも、彼岸の頃までは35度以上の猛暑日が続きそうです。

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気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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