電撃大王『とある暗部の少女共棲』コミカライズの連載休止と今後について
月刊コミック電撃大王で『とある暗部の少女共棲』コミカライズを担当しております。strelkaと申します。
5月以降、特段の説明なく休載が続いており読者の皆様にはご迷惑をお掛けしており大変申し訳ありません。
当初目標としていた8月の連載再開が叶わず長引く事、再開後はこれまでと同様の形にはならない事、また「原作小説のアニメ化」ではありますがアニメ化が控えていること等を鑑みて、一度状況の説明が必要と判断しました。
連載休止の理由について
5月の休載は純粋にスケジュール調整のための休載でしたが、6月以降の連載休止に関し理由を端的に説明するとKADOKAWAに対する信頼が棄損された事によるものです。
事前に知っていたら絶対にこの連載を請けなかった事実が後になって発覚し、是正を再三訴えましたが結局最後まで受け入れられませんでした。
上記事実に関連するKADOKAWAの方の言葉が真実であるならば、それは自分自身にとって受け入れ難い扱いが、自身の能力や実績ではなく連載の形態によって課され、それはこの連載を続ける限り変わる見込みがない事、また自分がそれを受け入れれば、それが前例となって同様の立場の作家に不当な扱いがなされていく事で間接的に加害者になってしまう事から連載を続けるべきではないと考えました。
一方で、途中で連載を辞めるとなると一連の出来事に責任のない読者や原作関係者に迷惑がかかる事になるため、何とか妥協できる落としどころを探していました。
誤解を避けるため補足しておくと、この一部の連載形態における作家の扱いは編集部とは異なる現場外の部署の管轄であり編集部に責任はなく、棄損されたのはあくまで会社組織としてのKADOKAWAに対する信頼であり、担当編集者を含め編集部に対する信頼に変わりはありません。
連載再開予定と再開後について
最短で12月下旬発売号から再開できる可能性が高いと判断していますが、確約はできず、再開できないまま終了する可能性もわずかに存在するというのが現状の説明になります。
この連載を続けるべきではないという考えは今も変わっていませんが、前段の事情もあり、担当編集者に相談の上、以下の条件で連載の再開を目指す事になりました。
・次に類似の事態が起こったあるいは発覚した場合は連載を終了すること
・連載の累積赤字予測が許容範囲を超えた場合も同様に連載を終了すること
・連載ペースや原稿のクオリティに責任を負わないこと
・自身の活動や健康を優先し、そのために自由に休載できること
補足をすると、これまで作品のクオリティと継続を最優先にして犠牲にしていた自身の漫画家としての持続可能性とのバランスを取る形にするという事になります。これまでは作品のためにと自己犠牲をしてきましたが、現状をみると誰にとっても良い判断ではなかったと認めざるをえません。
自分の作品を作らないと漫画家として扱われないというのが身に沁みて分かったので、読切や持ち込み用のネーム、同人活動など自分の作品を作る活動を連載と並行して再開していこうと思っています。とあるシリーズの読者の方には申し訳ありませんがご容赦頂ければ幸いです。
アニメへの影響について
既に告知されている通り現在進行中の企画は原作小説のアニメ化であり、実際に部外者として扱われているため負うべき責任もなく、僕が受けた説明を信じるならばコミカライズの連載休止がアニメに影響を与える事はないと考えております。
とはいえ、ひとりのファンとしてアニメを楽しみにしていますし、連載休止中も編集部を通じ要請に応じて資料提供等で協力しており、これは今後も続けていければと思っております。
媒体は違えど作品づくりに取り組む人間としてアニメ制作に携わる方々を尊敬していますし、その方々自身のために作品をより良いものにしてほしいと願っております。
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