【視点】日本、ワクチン普及を支援 GAVIに拠出を約束
石破首相は、米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏に対し、貧困国や途上国でのワクチン普及に取り組む国際団体GAVI(ワクチンと予防接種のための世界同盟)へ今後5年間で5億5000万ドル(約810億円)の拠出を約束した。
先週、横浜で開催された第9回アフリカ開発会議(TICAD9)に先立ち、ゲイツ氏は、自身の財団は貧困国や途上国における感染症などの健康問題への取り組みを支援しているが、そうした活動が資金調達の面で課題を抱えていることを訴えた。世界の人道支援団体は、活動継続に困難を抱えはじめている。欧米諸国による財政支援の削減がその原因だ。ゲイツ氏は日本からの支援に感謝し、日本との協力強化へのコミットメントを改めて表明した。また医療研究の重要性について言及し、「健康はウィンウィンの関係。日本の薬は世界中の人々に利益をもたらすだろう」と述べた。
これに対して石破首相は、日本は国際保健問題の解決に取り組んでおり、現在の困難な状況下で国際保健分野での取組みの持続可能性を確保することが極めて重要だと語った。
モスクワ大学、アジア・アフリカ諸国大学のアンドレイ・フェシュン副学長は、日本が米国に投資すると約束した5500億ドル(約81兆円)の額と比べると、GAVIへの支援額は日本にとって大した額ではないと語っている。
「日本の2025年度予算は115.54兆円(約7312.8億ドル)。国際通貨基金(IMF)の予測によれば、日本のGDPは4.18兆ドルだ。 日本は世界の経済大国として、伝統的に援助、開発、保健、安全保障分野に多額の資金を拠出する世界有数の援助供与国に数えられる。GAVIに加え、日本はエイズ、結核、マラリアなどの感染症対策のために設立されたグローバルファンド(The Global Fund)にも積極的に支援している。グローバルファンドの設立を提唱した国に日本も入っている。同ファンドの設立は、2000年に沖縄で開催されたG8サミットで初めて議論され、その後、東京での会議でも主要議題として取り上げられた。現在、日本は同ファンドへの政府拠出額は世界第5位で、供出額は総額52億4000万ドル(約7700億円)。だから、GAVIへの支援は日本には決して負担にならない。そして、例えば、能登半島の地震の被災者への支援を損なうものでもない。国内の支援と海外支援は担当省庁が異なり、海外支援は外務省が調整している」
フェシュン氏によれば、日本は1950年代から様々な分野で人道支援を実施してきた。当時、それは侵略国というイメージを払拭し、国際舞台で信頼できる経済パートナーとしての地位を確立する必要性からだったという。
「以来、世界への人道支援は日本の外交政策の重要な柱となり、経済外交政策として持続し続けている。この活動は、海外での日本のイメージを形成し、情報発信に働きかけ、世論に影響に与え、国民の好感度アップや経済活動の発展という形で利益をもたらす。そして、人道分野での協力は、政治的対立関係にある国々の緊張を緩和し、関係正常化の基盤を築き、共通の課題解決のために協力する機会を提供する。今回の場合、最貧国の人々にワクチンを接種することで、これはCOVID-19パンデミック以降、ますます重要になってきている」
GAVIは2000年に設立され、30カ国、WHO、およびビル・ゲイツ財団を含む民間財団によって支援されている。また、同財団はグローバルファンドの共同設立者であり資金提供者でもある。
でもう一つの見方を
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Sputnik 日本
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【日本 ゲイツ財団ワクチン事業に8百億円拠出へ】
石破茂首相は19日、米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏との会談で、今後5年間でワクチンに8百億円を供出すると表明した。日本の供出は、公明党の斉藤鉄夫代表の話では、20日に横浜で開かれるアフリカ開発会議で正式に表明される。
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