「造形の規範となる建物」とされたが…山地にある東京芸術大の山小屋が老朽化で倒壊の危機 芸術活動の拠点でも 学生らが修復作業を始める
老朽化で倒壊の危機にひんしていた東京芸術大山岳部の山小屋「黒沢ヒュッテ」(長野県大町市平)の修復作業が今夏、始まった。山岳部と協力してヒュッテを管理する一般社団法人「上野山の会」(東京)が資金を募ったところ、OBを中心に700万円超が寄せられたことから、損壊が激しく、現在は立ち入れないバルコニーから着手。11月上旬ごろの完成を目指し、学生らが作業を続けている。 【外観】山小屋「黒沢ヒュッテ」
黒沢ヒュッテは鹿島槍スキー場のゲレンデ脇にあり、1960年建築。当時の学生やOBから設計案を募り、山岳部元顧問で建築学者の山本学治(23~77年)が監修した。片流れの屋根が特徴で、2018年には「造形の規範となる建物」として国の登録有形文化財に指定された。
学生の登山やスキー合宿、芸術活動の拠点として活用されてきたものの、長年の風雪により屋根や柱は傷み、21~22年の冬にはバルコニーが損壊。上野山の会が昨年4月から修復費を募っていた。
同会によると、修復は専門的技術が必要な解体や組み立てといった工程を除き、学生やOBが自分たちの手で進める。バルコニー修復は7月下旬に角材数十本を搬入、8月上旬に防腐剤を塗った。解体や組み立ては白馬村の工務店に依頼し、10月ごろの着手を予定する。
美術学部建築科1年で、山岳部員の藤本日子(ひこ)さん(19)は「手作り感があふれる造りの山小屋。楽しみながら作業したい」と防腐剤を塗る作業に没頭。屋根など傷みの激しい箇所が他にもあるため、同会は引き続き、修復に向けた寄付をウェブサイト(https://www.uenoyamanokai.com/)で募っている。