「2023年に条例改正して、太陽光発電パネルを許可制にしたのは、斎藤知事の先見の明だ」は誤り
[2025/8/26更新]
「2023年に条例改正して、太陽光発電パネルを許可制にしたのは、斎藤知事の先見の明だ」は誤り。その条例は2017年に井戸県政時に制定したもの。斎藤知事は国の新エネ特措法の改正に合わせて県条例を改正しただけ。他県も同様に実施している。改正の目玉とされる「許可制」も国の改正と重複する。斎藤知事の独自の実績とするのは誤り。
◾️2023/12/12 日経新聞
「兵庫県、太陽光パネル設置 民有林で許可制へ」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF1248H0S3A211C2000000/
◾️兵庫県「太陽光発電施設等と地域環境との調和に関する条例」
2017年の井戸県政時に制定されたもの。
https://ops-jg.d1-law.com/opensearch/SrJbF01/init?jctcd=8A85CFF43A&houcd=H429901010014&no=1&totalCount=3&fromJsp=SrMj
◾️2023/5/30 経済産業省
第8回 再生可能エネルギー発電設備の適正な導入及び管理のあり方に関する検討会
「太陽光発電設備の開発許可等の基準や運用の考え方について」
太陽光発電パネル設置についての許認可は、複数の関係法令ごとに行っており、関係省庁や地方公共団体を横断する横串の対応ができる法改正を進める。各自治体とは自治体連絡調整会議で連携しながら進める。
https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/saisei_kano_energy/008.html
◾️資源エネルギー庁
「2023年 再エネ特措法改正」
「森林法に基づく林地開発許可」や「宅地造成および特定盛土等規制法に基づく許可」「砂防三法に基づく許可」など、当該法令に該当する場合は、FIT/FIP 申請前に許可を取得するように厳格化した。https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/index.html
◾️地方自治研究機構
「太陽光発電設備の規制に関する条例」
全国で都道府県9条例、市町村315条例。多くが新エネ特措法改正に合わせて2023〜2024年に制定あるいは改正。https://www.rilg.or.jp/htdocs/img/reiki/005_solar.htm
◾️2022/4/27経産省
第2回 再生可能エネルギー発電設備の適正な導入及び管理のあり方に関する検討会
他自治体でも許可制に準じた条約は多くある。
①不許可区域を条例で設定 62自治体
②同意・許可形式の条例 42自治体
③協力・自粛の要請 60自治体
https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/saisei_kano_energy/002.html
◾️国と兵庫県の比較検証
① 国の新エネ特措法改正
森林法、宅造法、砂防三法等、既存の土地利用関連法の許可取得を義務化
違反があれば認定取り消しで中止勧告可能
従い、形式的にも実質的にも「危険な立地、環境破壊に繋がる事業は止められる」仕組みが国で整備済み
👉 新エネ特措法だけで一定の歯止めが効く
①-1. 国の許可制
森林法の林地開発許可制度
https://www.rinya.maff.go.jp/j/tisan/tisan/con_4.html
(1)対象となる森林は、森林法第5条の規定により都道府県知事がたてた地域森林計画の民有林
(2)当該行為に係る土地の面積5,000平方m以上
(3)太陽光発電設備を設置する行為
(4)都道府県知事の許可を受けること
② 兵庫県の条例改正
①と同様の許可が前提条件になり、違反があれば事前協議で中止勧告可能
兵庫県が①に追加したのは、景観・生活環境への配慮を理由に協議し中止勧告が可能なこと
但し実務上は、森林法、宅造法、砂防三法の段階で大半の案件は止まるため、県条例で独自に止めるケースは多くなく、あっても国の基準をクリアしたものを止めるのはハードルが高い
👉 国と重複規制になっている部分が大きい
②-2. 兵庫県の許可制
太陽光発電施設等と地域環境との調和に関する条例
https://ops-jg.d1-law.com/opensearch/SrJbF01/init?jctcd=8A85CFF43A&houcd=H429901010014&no=1&totalCount=3&fromJsp=SrMj
次の各号のいずれにも該当する太陽光発電施設を設置しようとするときは、あらかじめ、知事の許可を受けなければならない。
(1)事業区域の面積が5,000平方m以上
(2)事業区域に森林法第5条第1項に規定する地域森林計画の対象となっている民有林の区域を含むもの
(3)設置工事に伴い、事業区域に含まれる民有林において切土又は盛土をする土地の面積が3,000平方メートルを超えるもの
◾️国と兵庫県の経緯
[2017年]
国:FIT制度見直し
認定厳格化、未稼働案件の整理
兵庫県:条例制定
条例の目的は太陽光発電施設と地域環境の調和
[2020年]
国:改正FIT法施行
FIT/FIPを新エネ特措法に統合
発電事業者に”地域共生,法令遵守”を義務化
森林法,宅造法,砂防三法等の許可取得をFIT認定の前提として明記
兵庫県:条例改正
一定規模以上の事業で事前協議を義務化
知事による中止勧告・公表など規制強化
[2022年]
国:FIP制度導入
卸市場連動の売電制度を開始
再エネ事業者に”長期安定的運転”や”地域との合意形成”を求める
[2023年]
兵庫県:条例改正
国の基準に合わせて許可制や審査基準を整備
災害警戒区域,急傾斜地,保安林等の規制を強化



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