福井で父親刺され死亡 殺人未遂疑い 息子逮捕
2022年3月15日 05時00分 (3月15日 09時57分更新)
自宅で同居する父親を包丁で刺して殺そうとしたとして、福井署などは十三日、殺人未遂の疑いで、福井市経田一、会社員沢田明雄容疑者(46)を現行犯逮捕した。署によると、「間違いありません」と容疑を認めている。父親は搬送先の病院で死亡が確認され、署は殺人容疑に切り替えて捜査を進める。
逮捕容疑では、同日午後一時十分ごろ、自宅で父親の無職弘美さん(74)の胸など複数箇所を包丁で刺し、殺害しようとしたとされる。
署によると、犯行直後に沢田容疑者から「包丁で刺した」と一一〇番があった。弘美さんは二階建て住宅の一階の脱衣所で倒れており、病院に搬送されたが、約一時間二十分後に死亡した。住宅内から血の付いた包丁が見つかった。
二人の間にトラブルは確認されていない。沢田容疑者は両親と三人暮らしとみられる。
事件当時、母親は外出中で、沢田容疑者は父親と二人きりだった。
事件当時、母親は外出中で、沢田容疑者は父親と二人きりだった。
「物静かな親子」 住宅街に動揺
福井市経田一の民家で十三日、この家に住む沢田弘美さんが包丁で刺されて死亡し、同居する息子の明雄容疑者が逮捕された事件。親子を知る近所の住民たちは「物静かな父と息子」と口をそろえ、住宅街に動揺が広がった。
同日午前八時半すぎ、六十代男性は犬の散歩をしていて明雄容疑者と擦れ違ったという。「特に変わった様子はなかった。事件を知ってびっくり」と話した。
近所の住民によると、雪が降った日は、朝早くから親子で自宅前の道で雪かきをする姿が見られた。向かいに住む七十代男性は明雄容疑者について「真面目で優しく、頭の低い人。親子げんかも聞いたことがない」と驚きを口にした。
弘美さんは、近くの市民菜園で育てた野菜を近所の人に配ることがあったという。八十代の女性は「大根やニンジン、チンゲンサイなどをもらった。長靴を履いてバケツを持ち、畑に行く姿を見たことがある」と話した。隣に住む七十代女性は「二人ともおとなしい人。信じられない。頭がパニック」と困惑した表情を浮かべた。
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