「ダサい中年男性」はだいたい知らない“男のファッション”7つの基本ルール
―[メンズファッションバイヤーMB]― メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。連載第546回をよろしくお願いします。 今回はファッションの基本ルールのお話。ジャケットやコートの「しつけ糸」、指摘されたことある人も多いんじゃないでしょうか……? 今回は守ってないと少々恥ずかしい! ファッションルールのお話です。 ⇒【写真】比べてみると、ボタンの留め方だけで明らかにシワが目立つ
ルール①「ジャケットの一番下のボタンは開ける」
案外、守れていない人も多いこのルール。特に新入社員はスーツの着こなしに慣れていないため、この間違いが多い。 ボタンを外して着る方がマナー違反なようにも思えますが、そういえば周りを見渡してみるとほとんどの大人がジャケット一番下のボタンを開けていることに気がつくかと思います。実はこれ実際ボタンを留めて着続けているとどこかで気がつくと思うのですが……下まで留めて着用するとシワが溜まりやすいのです。 もちろんジャケットの着丈や身幅などによって一部例外も存在するのですが、基本スーツジャケットにおいてはこれNGです。歩行時に足を動かしたり、しゃがんだり、屈伸したりする際に一番下のボタンを留めておくと生地にテンションがかかり、シワがつきやすい。スーツはシワを嫌う文化です。 そのためにオーダースーツがあり、体ぴったりに採寸して、シワが出ないように作るのです。ですから、シワができるような着こなしはNGであり、マナー違反。然して一番下のボタンは開けておくのが基本です。 上述の通り、これは実用的な意味において推奨されることでもあるのですが、どちらかというと「下まで留めていると服に疎い人だと思われる」ことが懸念されます。注意しましょう。
ルール②「ファブリックタグ、しつけ糸は切る」
コートやスーツの袖先につけられたタグ。こちらをつけっぱなしに着ている人は案外多いです。冬の電車の中などではよく見かけます。吊り革に捕まる手にファブリックタグが付いている人は珍しくありません。 しかし、ながらこのタグ、本来は切るのが普通です。ファブリックタグは良質生地メーカーのものを採用している証、「こんなにいい生地のジャケットですよコートですよ」と店頭接客時に活用するものです。切りやすいように四隅を糸で簡易的に留めておくのが普通で、購入後はハサミなどで簡単に取れるはずです。 それにしてもなぜ袖先などという目立つ位置にわざわざタグをつけるのか……? それはスーツ屋さんの店内装飾を思い返してみればわかります。スーツ屋さんではハンガーにずらりとかかっているジャケットを見て選ぶことになりますが、カジュアルウェアと異なり、スーツはデザインがすべて同じですので、ハンガーにかけてある状態では優劣がわかりません。 そこで目立つ袖先に差別化要素である「素材表記」をつけておくことで、「パッと手に取ってもらう」意図があるのです。 もちろんこうしたタグをデザインとして付けているコートなども存在します。見分け方は「タグが簡単に取れるようになってるかどうか」です。四隅のみを留めてあるなどであれば取るべきですし、ガッツリ全体をミシン留めしている場合はデザインであることが多いでしょう。