一番過酷だった「水ダウ」のロケ 田村真子アナ救った親鸞聖人の教え
TBS系バラエティー番組「ラヴィット!」の司会役も5年目となり、すっかり「朝の顔」としておなじみになったアナウンサーの田村真子さん(29)。 【写真をもっと】TBSの田村真子アナウンサー 毎年恒例の「好きな女性アナウンサーランキング」(オリコン)で2024年に初の1位に輝き、初のフォトエッセーを刊行するなど、いまノリに乗っている。 そんな彼女の原点は、仏教系の中高一貫校で過ごしたかけがえのない6年間だったという。 当時学んだ親鸞聖人の教えが仕事にどう生かされているか、語ってもらった。【聞き手・伊藤一博】 ◇原点は仏教系の進学校 三重県松阪市で生まれ育ちました。一人っ子で両親に愛されていたとは思いますが、甘やかされていたような実感は特にありません。 今は黙っているとおしとやかに見られがちですが、全然そんなことはありませんね。むしろ周囲からは、おしゃべりの方だと思われているようです。 自分の学校生活を振り返ると、なんといっても仏教系の中高一貫校で過ごした6年間が原点です。 勉強の方はそこそこで、成績もずっと真ん中あたりでした。友人たちは自分と同じような明るいタイプの子が多く、楽しい思い出ばかりです。 浄土真宗高田派の進学校で、週1回は仏教の授業があり、月1回は隣にある「本山」のお寺へ行き、皆でお経を唱え、僧侶でもある先生の講話をお聞きするといった環境でした。 当時はありがたさが分からなかったんですが、今になってみると、親鸞聖人の教えを学んだ6年間は本当に貴重だったと思います。 長い正座で足がしびれてしまって、しんどいなかで聞いた尊い講話の数々。普通の学校に通っていたら、きっと経験できなかったことでしょう。 今も昔も特に浄土真宗を深く信仰しているわけではありませんし、ご両親がキリスト教徒の子も来ていました。それでも、一緒に学んだ友人たちには同志のような連帯感を覚えます。 ◇「そういうもんだ」のポジティブ思考 親鸞聖人が説かれた「他力本願」や「悪人正機」は今も心の奧に残っていますね。 入社8年目になり、組織の中にいると、自分の思い通りにはならないことや予想外に物事が進むことに直面し、戸惑ったり後悔したりすることがよくあるんです。 そんな時、親鸞聖人の「優しい」教えが自然と支えになってくれました。 どうにもならないことは誰にでも起きる当たり前のことで、仕方がないと。 自分の無力さを認めて阿弥陀様のような大きな存在に救っていただけば、そのおはからいで事態が良い方向に転じることもあるんだと。 そんな教えと思春期に出合えて、感謝してもしきれません。 例えば、平日に毎朝出演しているバラエティー番組「ラヴィット!」では、芸人さんとのやり取りが「アナウンサーらしくない」とか「個性的すぎる」とか、いろいろなご意見をいただき、悩むこともありました。 でも、萎縮すると自由に動けなくなるので、あまり気にしすぎず、できるだけ自分を肯定するように心掛けていますね。 一番過酷だった仕事は、番組「水曜日のダウンタウン」で2年連続で担当した企画の収録です。 極寒の雪山へロケに行き、夜から明け方まで進行役を任されました。終わった時は達成感でいっぱいでしたが、生涯忘れられない思い出です。 さまざまな経験をしながら頑張ってこられたのは、無意識のうちに親鸞聖人の教えにならって身を委ね、ポジティブでいられたからかもしれませんね。 ◇たむら・まこ 1996年生まれ。上智大卒。2018年にTBS入社。TBS系バラエティー番組「ラヴィット!」を担当。24年「好きな女性アナウンサーランキング」(オリコン)で1位に。初のフォトエッセー「陽(ひ)がのぼるほうへ」を8月に刊行した。