「ひやおろし」と「秋あがり」の違いとは?|季節の楽しみ「ひやおろし」を知る【日本酒のススメ】
まとめ
「ひやおろし」は、日本酒の四季を彩る大切な存在です。かつては保存、保管技術の制約から生まれた季節酒でしたが、現代では秋の訪れを告げる風物詩として、多くの日本酒ファンに認知されています。 まずは難しく考えず、本来の「秋限定の特別なお酒」として楽しんでみてください。熟成感のあるひやおろしが入手できれば、秋刀魚の塩焼きや、きのこの炊き込みご飯など、秋の味覚と一緒に味わってみることをおすすめします。 また「ひやおろし」と「秋あがり」の違いにこだわる必要はないと思います。どちらも本来は秋に出る美味しいお酒です。保存方法だけは、ラベルを確認して適切に管理しましょう。 日本酒の世界は奥深く、季節ごとに異なる表情を見せてくれます。「ひやおろし」を入り口に、ぜひ日本酒の豊かな世界を楽しんでみてください。秋の夜長、ゆっくりと「ひやおろし」を味わいながら、日本の四季の移ろいを感じる。そんな贅沢な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。 山内祐治(やまうち・ゆうじ)/「湯島天神下 すし初」四代目。講師、テイスター。第1回 日本ソムリエ協会SAKE DIPLOMAコンクール優勝。同協会機関誌『Sommelier』にて日本酒記事を執筆。ソムリエ、チーズの資格も持ち、大手ワインスクールにて、日本酒の授業を行なっている。また、新潟大学大学院にて日本酒学の修士論文を執筆。研究対象は日本酒ペアリング。一貫ごとに解説が入る講義のような店舗での体験が好評を博しており、味わいの背景から蔵元のストーリーまでを交えた丁寧なペアリングを継続している。多岐にわたる食材に対して重なりあう日本酒を提案し、「寿司店というより日本酒ペアリングの店」と評されることも。 構成/土田貴史
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