中国人留学生が日本社会に“進出”すると…

加えて、日本国内における奨学金制度の不平等も深刻である。中国人留学生のうち、特に博士課程の理系学生には、年間300万円近い「給付型」の奨学金が支給されることが話題になった。一方、日本人学生に対しては、そのような機会が極めて限定的であり、多くの奨学金は返済義務を伴う「貸与型ローン」にとどまっている。

結果として、多くの若者が中年期まで債務を抱えたまま、手取り20万円前後の給与で社会に出ざるをえず、結婚や住宅購入といった人生設計すら困難な状況に追い込まれている。

このような制度的不均衡が積み重なれば、日本の若年層の活力が削がれ、ひいては少子高齢化という構造的課題への対応がますます難しくなる。

さらに、同じキャンパス内で日本人学生と留学生との間に制度的格差が生じれば、そこから不満と不信が生まれ、学内の秩序や調和が崩れる可能性も否定できない。

中国人留学生の多くは難関大学に進学しており、将来的に帰化あるいは永住を選択し、日本の有力企業や官公庁に就職する者も多い。そうした人物が中国共産党の歴史観や価値体系を内面化したまま社会の中枢に入り込めば、日本の制度や価値観が内側から書き換えられていくことになる。教育制度や歴史認識、言語文化そのものが、中国的価値観に従属していくことにもなるだろう。

コインスタックと卒業帽子
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トランプ「留学生受け入れ停止」政策の背景

高校や予備校でも中国人留学生の増加は著しく、近い将来、「授業を中国語で行ってほしい」といった要望が公然と主張される事態も現実味を帯びてくる。

事実、アメリカのある大学では、中国人留学生が多数を占めた結果、講義を中国語で行うよう求める声が上がったとの報告もある。同様の事態が日本で起きないと考えるほうが無理があるだろう。結局のところ、問題は外国人留学生の存在そのものではない。

問うべきは、どのような思想的背景を持つ者が、いかなる意図をもって日本に滞在し、その結果として日本社会にどのような影響を及ぼしているかである。

この点に関して、アメリカではすでにリスクを現実的な脅威として認識し、留学生の受け入れ政策の見直しが進められている。

トランプ政権下では、ハーバード大学における留学生の受け入れ資格が停止され、ビザの発給停止や奨学金の支給差し止めといった厳格な対応も取られている。

こうした措置について、日本のメディアは通例どおり、トランプ政権を批判する論調を繰り返している。しかし、その背後にある看過できない実態についても理解しておく必要があるだろう。