アフリカホームタウン認定「撤回を」「税金の無駄」JICA前でデモ「無理やり移民政策」

アフリカ諸国の「ホームタウン」に認定について撤回を求めるデモ活動の参加者=28日午後、東京都千代田区(奥原慎平撮影)
アフリカ諸国の「ホームタウン」に認定について撤回を求めるデモ活動の参加者=28日午後、東京都千代田区(奥原慎平撮影)

国際協力機構(JICA)が千葉県木更津市など国内4市をアフリカ諸国の「ホームタウン」に認定したことを巡り、東京都千代田区のJICA本部前で28日夕、デモ活動が行われた。ホームタウンの認定問題はSNSなどで「移民受け入れ」につながりかねないと批判する声が上がっており、参加者は「撤回しろ」「白紙に戻せ」と繰り返し、JICAに対しては「売国奴」「解体」を主張した。

「国民はアフリカへの融資望まず」

デモはSNS上で参加を呼び掛けており、29日夕方にも予定される。

ホームタウンの趣旨はイベント開催などを通じ、交流を深め、日本とアフリカの懸け橋となる人材を育てること。しかし、木更津市をホームタウンに認定されたナイジェリアで政府は、若者を木更津に移住できる特別ビザが発給されるという誤った声明を発するなど混乱が広がっている。

28日のデモは終盤150人以上が本部を取り囲んだ。順番に拡声器が渡され、アフリカの人々を呼び寄せることに対し、治安悪化を危惧する声が聞かれた。習慣や文化、身体能力の違いなどからそう懸念されるという。先のアフリカ開発会議(TICAD)で石破茂首相は、アフリカ開発銀行と協調した約8100億円の融資などを打ち出しており「私たち貧乏な国民は望んでいない。税金の無駄だ」とも訴えた。

「『アフリカの人、来るな』言いたくないのに」

デモ活動に初めて参加したという女性は「『移民反対』『アフリカの人たち、来るな』と叫んだ。こんなこと言いたくない。アフリカの人たちにいい人がいるのは分かっている。差別につながるような感情をかきたてるようなことをやっているのは無理やりの移民政策だからだ」と声を張って、政府に対する不信感を募らせた。

別の女性は「外国人を差別するためにいっているのではない」と述べた上で、「日本の社会保障制度をただ乗りさせるようなことや、安く住宅を提供すること、結婚カップルを誕生させるとか、国民は望んでいない」と訴えた。

木更津市から参加した飲食業の女性(54)は産経新聞の取材に、「アフリカ人に対しては、(アジア人と違い、体の屈強さから)身体的な怖さを感じてしまう。子供たちにとっても怖いだけ。差別と言われても、抗議しないと日本は守れない」と指摘した。

SNS上では黒人の男性が「世界中のナイジェリア人よ、木更津に行け」と訴える動画が拡散されており、女性は「木更津が黒人の町になってしまう」と語った。

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