仕事で疲れ切った夜。飲み会に参加させられてたらふく酒を飲んで帰った夜。
押し入れから猿の玩具を取り出す。
両手にシンバルを抱えた、昔ながらの玩具。
ベッドに置いてスイッチを入れる。
パン、パン、パン。
喧しい金属音が部屋に反響する。
俺はそれを見下ろしながら、心の中で呟く。
──その猿は俺だ。
規則正しい、意味のないリズム。意味のないリズム。
「それがお前のやりたい仕事なのか!!?」
気づけば声に出して、俺は怒鳴ってた。
猿は答えない。ただシンバルを叩き続ける。
「そ、れ、が!!!!おまえの、やりたい仕事なのか!!?」
怒鳴るように何度も詰問する。
猿は答えない。猿はただ繰り返す。
声と音が互いにぶつかり、苛つき、同じ場所にただ立ち尽くす。
やがて俺の喉が枯れる。
声が出なくなる。
その瞬間、不思議と猿もシンバルを叩くのを止めたように見えた。
沈黙。
金属音の残響だけが部屋に漂う。
椅子に沈むように座り、頭を抱えた。
ほんの僅かだけれど、少しだけ生まれ変わったような気がした。
俺は疲れているのかもしれない。
Permalink | 記事への反応(3) | 12:43
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"「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由"という本でなんか見た話。
セックスしてるのかと思った
どんなプロンプトで指示したのか気になる なかなか陳腐