確証バイアスとは|具体例をわかりやすく解説

まずは概要から:
確証バイアスとは

確証バイアスとは、自分の仮説や信念を検証しようとするような場合に、自分を支持する情報ばかりを集め、反対意見を無視・軽視する傾向、認知バイアスです。

要するに「自分が信じたいものを信じる」ということですね。

確証バイアスの具体例
  • Case1. 事業仮説の検証材料
    自身が実現したい事業プランを後押しする都合良いデータと事例だけを収集する
  • Case2. 彼氏に浮気をされた
    彼氏の浮気が発覚しても「君が一番だよ」と言われると信じてしまう、思い込んでしまう
  • Case3. 政治や宗教などの信仰
    ある政治的意見に強く賛成している人は、その意見を支持する記事や意見に注意を向け、反対の立場をとる情報は排除したり、その信頼性を疑う傾向があります。
  • Case4. 投資先企業の情報収集
    特定企業の株が将来価値があると信じている投資家は、その株の価値を上げる情報を集め、下げる情報を無視することがあります。

このように、自分が信じたい結論にとって「都合の良い情報」を集めて「都合が悪い情報」を無視・軽視してしまうのが、確証バイアスです。

補足:認知バイアスとは

認知バイアスとは、常識や固定観念、また周囲の意見や情報など、さまざまな要因によって、誤った認識や合理的でない判断を行ってしまう認知心理学の概念です。

認知バイアスの具体例

実証実験「ウィルソンの選択課題」

確証バイアスの実験は、イギリスの認知心理学者であるペーター・カスカート・ウェイソン(Peter Cathcart Wason)が1996年に行った「ウェイソン選択課題」がもっとも有名です。

体験できるので、ぜひ考えてみてください。

表には数字、裏には色が塗られているカード」が4枚あり、上記のように並んでいます。

そのうえで1つの仮説『表面に偶数の数字が書かれたカード」の裏面は「赤色」である』を証明するためには、少なくとも、どのカードをひっくり返す必要があるでしょうか。

回答と解説を見る

答えは「②、④の2枚」です。

まず「表が偶数なら、裏は赤色」を証明するためには、下記2点を確認する必要があります。

  • 偶数の裏面が、赤色になっていること
    →もし青色なら「偶数の裏が青色」となり、仮説に反する
  • 青色の表面が、偶数になっていないこと
    →もし偶数なら「偶数の裏が青色」となり、仮説に反する

そのため、カード別に解説すると下記の通り。

  • 3と書かれたカード
    与えられた仮説は偶数についてなので、ひっくり返す必要はありません。
  • 8と書かれたカード
    裏面が青だと仮説に反するため、ひっくり返す必要があります。
  • 赤いカード
    もし表面が奇数でも偶数でも関係がないので、ひっくり返す必要はありません。
  • 青いカード
    表面が偶数だと仮説に反するため、ひっくり返す必要があります。

実証結果

この実験では90%の人が「②,③」と間違えた回答をしました。

多くの人は、与えられた「偶数なら赤色」という仮説を支持する情報を収集しようとし、反対の「偶数なら青色ではない」を見落としたのです。ここから確証バイアスが実証されています。

この問題を解くには「仮説に反する証明をすること」がカギなのですが、人は与えられた情報に反する情報を収集する傾向を無意識に避けてしまうので間違えてしまうのです。

確証バイアスの具体例

確証バイアスは日常的に起こりえるので、ここではその例を3つ紹介していきます。

  • 宗教を信仰する・しない
  • 就職や転職活動における大手志向
  • 恋愛相手のいいところしか見えない

では見ていきましょう。

確証バイアスの具体例①
宗教を信仰する・しない

「神さまは存在する」と信じている人は、すべてのものごとを「神さまがいるからだ」という前提で考えるので、存在を否定する人の意見はなかなか聞き入れません。

また、稀有なできごとに遭遇したときも「神さまのおかげだ、ありがたい」とその結果を過大評価します。

そして、逆の心理現象が「神さまの存在を信じない人」にも当てはまり、例えば勧誘行為などには一切耳を貸さずに、全てにおいて、現実的で論理的な解釈を支持するようになるのです。

確証バイアスの具体例②
就職や転職活動における大手志向

就活や転職における確証バイアスの例としては、「大手企業に入れば生涯安泰」という考え方が挙げられるでしょう。

例えば、そういった志向の方たちは就職や転職活動をする際に、自身のキャリアプランや、入社後の職務内容ではなく、まず「大手企業に入社すること」をゴールにします。

また、ライフプランも安定志向なので、「冒険をする」「リスクを冒して挑戦する」という取り組みに関する情報は興味を持ちません。もし「大企業でも倒産する」という状況になっても「自社には関係ない」と無視してしまうわけです。

確証バイアスの具体例③
恋愛相手のいいところしか見えない

恋愛における確証バイアスの例としては、相手がダメな人でも「この人はきっといい人だ」と信じ込んでしまうことが挙げられます。

この場合、相手を好きなあまり、いいところしか目を向けようとしなくなり、相手の欠点については見て見ぬふりをしてしまいます

さらに、いつも何もしてくれない相手であっても、極々稀に自分のためになにかをしてくれると、「やっぱりこの人はいい人だ」という過大評価に陥るのです。

確証バイアスには自信に繋がるメリットもある

ここまでの内容を踏まえると、確証バイアスは「悪」と感じる方も多いかもしれませんが、実はメリットとして、自分に自信を持てるようになる効果もあります。

なぜなら、確証バイアスによる思い込みで、客観的でも公平公正でもないものの、自分の信念をなにがなんでも貫こうとする感情や行動が生まれるからです。

もしそれが突き抜けてしまえば、仕事や人生のターニングポイントにおいて、よい結果を「引き寄せる」可能性もゼロではありません。例えば、プロのスポーツ選手が幼少期に「自分は絶対にプロになれる」と思い込むことが典型例でしょう。

このように、自分を貫くことはときに軋轢を生むこともありますが、確証バイアスに支配されている状態も決して悪いことではないのです。

認知バイアスを緩和するポイント

認知バイアスの原因は「経験や直感からくる思い込み」にあるので、対処すれば、一定は軽減できます。※人間である以上、全てを防ぐのは不可能です。

認知バイアスを緩和するポイント
  • 認知バイアスへの理解を深める
  • 認知バイアス診断で思考の癖を知る
  • 批判的に考え、第三者の意見を取り入れる

認知バイアスを緩和するポイント①
認知バイアスへの理解を深める

まず、認知バイアスの存在を知らなければ、防ぎようがありません。あなたが人間である限り『なにかしらのバイアスが少なからず働いている』という認識を持つところから始めましょう。

例えば、データ分析からアクションを検討する場合においては、下記のポイントを意識して、合理的に読み解く必要があるので、注意をしたいところです。

  • 確証バイアス
    自身の仮説を支持する都合良い情報ばかり集めていないか
  • 生存バイアス
    サンプリング対象に失敗事例は含まれているか
  • サンプリングバイアス
    サンプル対象が特定の属性に偏っていないか
  • 錯誤相関
    データ同士の相関性から間違えた因果関係を見出していないか

ちなみに「自分は大丈夫」「今回のケースは大丈夫」と思うのであれば、それもバイアスです。(楽観バイアスや正常性バイアスなど)。

ソクラテスの哲学「無知の知」にあるように、理解したつもりにならず、謙虚に向き合い、今後の学びに繋げていきましょう。

認知バイアスを緩和するポイント②
認知バイアス診断で思考の癖を知る

次は、自身が「どういったバイアスを持ちやすいのか」という思考の癖を知ることをおすすめします。簡易的なものであれば、無料アプリの「ミイダス」で診断可能です。

▼ミイダスで診断してみよう

引用:バイアス診断ゲーム(ミイダス)

ミイダスはもともと、転職市場価値を診断できるアプリですが、「バイアス診断ゲーム」をはじめとした心理学系の診断がいくつかあります。数分の診断で結果がわかるので、興味があれば試してみてください。

認知バイアスを緩和するポイント③
批判的に考え、第三者の意見を取り入れる

認知バイアスに陥るのを防ぐために「なにごとも疑ってかかる」「自分と異なる意見を取り入れる」ことが重要です。 例えば以下のようにですね。

  • 何が事実で、何が解釈か
  • 別の観点から考えると、解釈は変わるか
  • どのような反対意見があるか

このように、さまざまな角度から複眼的にとらえることができれば、認知バイアスに陥りにくくはなります。いわゆるクリティカルシンキング(批判的思考)ですね。

第三者の意見を取り入れるのもおすすめです。利害関係がなく、都合が悪いことも率直に伝えてくれる相手にしましょう。自身と違った境遇・価値観を持つ方であればあるほど、視野が広がります。

他の認知バイアス【一覧と具体例】

認知バイアスとは『様々な理由で認識が歪んでしまい、事実を正しく認識できずに不合理な(事実でない)認知をしてしまう傾向』を総称したもので、いくつもの種類があります。

認知バイアス説明・具体例
正常性バイアス自分に都合が悪い事実を信じない、現実を見ない
例:連帯保証人になったら友達が音信不通に。でもきっと大丈夫!
確証バイアス自分の信念を裏付ける情報を探し求め、それ以外を見ない
例:大好きな彼氏はココが良い!ココも素敵!
生存バイアス現在、生存している事例(成功例)しか見ない
例:成功した起業家を分析して、失敗例を見ない
後知恵バイアス過去の事象に「それは予測可能だった」と勘違い
例:そのじゃんけん、チョキなら勝てるってわかったよね?
自己奉仕バイアス自身に好意的な認識を持ちやすい傾向がある
例:成功は自分の能力が高いおかげ。失敗は外部環境のせい
自己中心性バイアス自分を基準に、他者の心情や認知を推察する
例:自分の価値観を押し付ける、相手目線で考えられない
感情バイアス感情的な好き嫌いが意思決定に影響を与える
例:性能は悪いが、つい好きなブランド商品を買ってしまう
投影バイアス自分の好み、感情、価値観を他人に投影して認識する
例:まわりの人も自分と同じ意見、感情だと思い込む
一貫性バイアス他者の1行動に一貫性があると思い込む
例:さっきナンパしてきた人、絶対いろんな女子に声かけてるよね
保守性バイアス新しい情報を取り入れて、考え方や行動を変えることに躊躇する
例:革新的な新技術が出ても、使わず、従来のやり方に固執する
バーナム効果曖昧な特徴でも、自分に強く該当すると思い込む効果
例:占い師「あなたは◯◯な人間ですね」→そうかも!
ハロー効果ある事象への評価が、他の目立った特徴に引っ張られる効果
例:清潔感がない人は、仕事もできなさそうだし性格も悪そう
ダニングクルーガー効果能力の低い人ほど自分を高く評価しやすい心理効果
例:もうこのゲームはコツ掴んだな!オレ最強かも!
コンコルド効果過去の投資を惜しんで、追加投資をやめられない効果
例:UFOキャッチャーを取れるまでやってしまう
バンドワゴン効果多くの人々が支持する意見や行動に信頼感を抱く効果
例:子どもが、他のみんなと同じオモチャを欲しがる
フレーミング効果同じ情報でも伝え方によって受け取り方が異なる効果
例:電池残量が「残り50%もある」と「残り50%しかない…」
アンカリング効果最初に提示した情報が基準となり、その後の認識に影響を与える効果
例:商品の値下げ(大きく下がっているとお得に感じますよね?)
アンダードッグ効果不利な立場の負け犬を同情・応援したくなる効果
例:バレンタインに縁がなさそうな人にチョコをあげたくなる
クレショフ効果2枚の関係ない写真に、意味的な繋がりを感じる効果
例:「野菜」「不機嫌な人の顔」→野菜が嫌い?
バックファイア効果信念に反する情報を提示すると、裏目になる効果
例:大好きな彼氏を批判されると、かえって愛情が増す、守る
真理の錯誤効果繰り返された情報を真実だと思い込む効果
例:「最高品質」と効果を連呼するTVCMを繰り返しみて信じる
リスキーシフト集団の中だと、よりリスクの高い意思決定をしやすくなる効果
例:赤信号、みんなで渡れば怖くない
錯誤相関二つの事柄に、相関関係があると錯誤(思い違い)すること
例:雨男/雨女、アイスの売上と溺死数
根本的な帰属の誤り他人の行動の場合、外部要因を過小評価してしまう傾向
例:遅刻の原因で、状況要因を考慮しにくい(性格のせいにしがち)
アロンソンの不貞の法則知らない人からの褒め言葉を、より嬉しく感じる法則
例:家族よりも、他人から認められると嬉しい
代表性ヒューリスティックある対象の判断を、既知概念の代表的特性との類似性で判断する
例:「尻尾が丸い動物」→「うさぎかな?」
可用性ヒューリスティックある判断をするとき、すぐに思い出せる事例や情報から判断しやすい
例:馴染みのものや、人気ブランド、記憶に浮かぶ商品を選びがち。
選択のパラドックス選択肢が多ければ多いほど不満を感じやすくなる
例:レストランのメニュー、料金プランの種類など
認知バイアス一覧表(全28件)

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