関係者によりますと、関東地方にある郵便局が宅配便の「ゆうパック」の配達を委託した業者から、配達ミスや配達員のたばこのにおいなど客のクレームを受けた際に十分な説明をしないまま不当に高額な「違約金」を徴収していたということです。
公正取引委員会はおととしから去年にかけて、この郵便局がある県内を対象に調査した結果、下請け法で禁じられている「不当な経済上の利益の提供要請」にあたり法律に違反すると認定し、去年6月、日本郵便に「違約金」の制度を是正するよう指導したということです。
「違約金」制度は、日本郵便が配達ミスなどを抑止しサービスを向上させるため導入しているもので、今回、この制度自体は違法と認定されていませんが、一部の郵便局では「違約金」が1件当たり数千円から10万円ほどで、配達1個の代金と比べて数十倍以上になっていたということです。
物流業界ではいわゆる「2024年問題」で運転手不足の深刻化が懸念される中、公正取引委員会は下請け業者に対する不当な契約がないかなど監視を強化しています。
関東の郵便局 配達ミスやクレームで委託業者に高額な違約金
関東地方の郵便局が宅配便の配達を委託した業者から配達ミスなどに対する高額な「違約金」を十分な説明なく不当に徴収していたとして、公正取引委員会が去年、下請け法違反を認定し、日本郵便に是正するよう指導していたことが関係者への取材で分かりました。
違約金の目安 配達ミス5000円 たばこのにおい1万円
日本郵便によりますと、「ゆうパック」の委託業者に対する「違約金」の制度は2003年に導入されました。
この中で、▽配達先を誤った場合は5000円、▽配達員のたばこのにおいのクレームに対しては1万円などと目安の額が設定され、委託業者との契約書の規定の範囲内で郵便局ごとに具体的な対象や金額などを決めることが認められていました。
日本郵便は「調査などを通じて、違約金の対象や金額などについて郵便局ごとに異なる運用が認められたため、ことし4月をめどに全国で統一する予定だ。今後も幅広い観点から検討を行っていく」とコメントしています。
業界団体「ドライバーの給料から事前徴収せざるを得ない業者も」
全国およそ90の軽貨物の配達事業者などが加盟する業界団体「軽貨物ロジスティクス協会」の瀬戸口敦代表理事は「日本郵便の不当で高額な『違約金』の問題は、関東地方だけでなくそれ以外の地域でもあり、配達ミスやクレームの種類のほか、回数に応じて『違約金』の額も増えると加盟企業から聞いた」と話しました。
また、「中には『違約金』の支払いに備えて、先にドライバーの給料から一律で徴収せざるをえない事業者もあった。日本郵便との力関係としては、かなりわれわれが弱い立場にあったというのは事実だ」と述べました。
そのうえで「公正取引委員会の認定をきっかけに、ドライバーの収入が上がるよう業界団体として『日本郵便』としっかりと交渉をし、互いが前向きに仕事ができるようにしたい」と話していました。