2025横浜市長選・回顧〈中〉 山中市政2期目へ 候補者並ぶ 異例の演説会

公開:2025年8月16日

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たまプラーザ駅前での合同演説会に参加した(左から)田中氏、福山氏、小山氏、斉藤氏(7月20日)
たまプラーザ駅前での合同演説会に参加した(左から)田中氏、福山氏、小山氏、斉藤氏(7月20日)

 市長選が告示された7月20日の午後、青葉区のたまプラーザ駅前には候補者4人が車上に並び立ち、「合同演説会」が開かれた。真夏の日差しが照りつける中、小山正武氏、田中康夫氏、福山敦士氏、斉藤直明氏の順にマイクを握り、主張を聴衆に訴えかけた。その後は横浜駅前でも同じメンバーで演説会が行われた。当選者が1人だけの首長選で、ライバルとなる候補者同士が合同演説会を開くのは極めて珍しい。

参院選投開票日で演説場所制限

 この状況は、市長選告示日が参議院議員選挙の投開票日という異例の日程によって生まれたものだった。公職選挙法では、2つ以上の選挙が行われる場合、投票所が開いている時間帯には、投票所を設けた場所の入口から300m以内で街頭演説を行うことが禁止されている。投票に影響を与えないための制限だが、事前に各陣営からは「どこが禁止区域なのか分からない」との声が出ていた。そこで、陣営が協議し、「安全地帯」での合同演説会を企画。賛同した4人が参加し、高橋徳美氏と現職の山中竹春氏は不参加だった。参加した陣営は「有権者が候補者の政策を聞く機会を提供したかった」と口をそろえ、演説を聞いていた人からは「複数の候補者の話が聞けて比較がしやすい」との感想が聞かれた。

ネット討論会「投票の参考になった」

 選挙期間中、討論会が2回開かれた。7月24日、ビジネス動画メディア「リハック」の運営会社が行ったネット討論会には山中氏を除く5人が参加。それぞれが主張を述べた後、候補者同士で質問をぶつけ合った。この様子はユーチューブで生配信され、約5千人が視聴。録画も見られ、30万回以上再生された。視聴者からは「こういう討論会が見たかった」「投票の参考になった」などのコメントが寄せられた。2日後にも中区で合同個人演説会・公開討論会が開かれ、リハックの時と同じ5人が出席。約100人の来場者の前で議論した。

 合同演説会、討論会ともに当選した山中氏は参加しなかった。山中氏はその理由を「市民と直接ふれあう時間を作るため」と説明したが、他の5人からは「ともに討議をしながら(政策を)伝えてほしかったので残念」(斉藤氏)との声が相次いだ。


 市長選の投票率は41・64%で前回を7・41ポイント下回った。ネット上では「直前にあった参院選に比べて市長選の情報が少なすぎる」という意見も多く見られた。愛知県新城市は、2020年に市長選立候補予定者による公設の政策討論会を制度化する条例を設けるなど、新しい動きもある。横浜市の有権者は300万人を超える。今後も情報を届ける工夫が求められる。

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