ヤマザキ製パンの記憶 +α
ペンギンです。
オモコロブロスで新しい記事が出ました。
僕が好きな『ロールちゃん』についての記事です。
ロールちゃんって本当に良いんですよね。
僕にとってロールちゃんは、単純に味が好きというだけのものではなくて記憶がこびりついた思い出の品みたいなものになっています。
ポケモンキッズ(小さい頃によく遊んでいた指人形)がそうであるように、でも同一個体じゃなくても過去の記憶と結びついて心に残っている品です。
ロールちゃんに限らず、ヤマザキ製パンの商品ってそういうのが妙に多い気がします。
「菓子パン」のページをザッと眺めただけでも、
・まるごとソーセージ
・ミニスナックゴールド
・スイートブール
・ケーキドーナツ
など、どれも何かしら自分の古い記憶と結びついています。
通学路から逸れてほとんど崖みたいな急階段を登った先にあったススキだらけのしょうもない眺望の匂いとか、家の隅っこに転がってたみんなのたあ坊の赤茶けたデカクッション(左上のヘリがいじられすぎて綿が飛び出始めている)とか、「勇気ごっこ」とかいうディストピア小説内の子どもたちが興じているような危なっかしい遊びで大ケガしたタケちゃんの退院後の傷痕とか、進研ゼミから届いた『「MY中学準備実力診断テスト」の結果のご報告』(一言一句違わずこのタイトルだった自信がある)とか。
商品パッケージを見ただけでブワーッと夏草のように思い出が急に伸びてきますので、ニオイとか味があったらもっと色んなことを思い出すかもしれない。
この前、記事の撮影のために『ロールちゃん』を久しぶりに食べて真っ先に思い出したのは、実家のダイニングテーブルでした。
ダイニングテーブルで学校の宿題をやったりしていたのと、おそらく僕の筆圧が強かったのがあいまって、テーブルに傷みたいな感じで痕がついちゃってるんです。
テーブルは、実際の素材は知りませんがケヤキくらいそこそこ濃い色の木目で、腰をかがめて水平方向に表面を眺めてみると自分の文字が映り込んでいて、最初気づいた時は結構感動しました。
文がまるごと写し取れているわけではなく、なぜか「す」「る」など一文字だけがバラバラとテーブルのあちこちに印字されている。
筆跡は明らかに自分の。
手の爪で表面を触ってみると、ほんのわずかに爪が文字の方向に沿って走る。
さほど深くないけど、でも確実に「汚れ」ではなく「傷」だ。
テーブルやフローリング床において、一般的に「汚れ」は可逆的、「傷」は不可逆的。つまり自分は不可逆的にテーブルを棄損している。一回の所業ではなく、これまでの積み重ねによって。
叱られる!というゾワッとした恐怖も多少ありつつ、テーブルに自分の筆跡が意図せず産み落とされていることへの興味が勝りました。
ガキが家の柱に彫刻刀で落書きをして、取り壊しの時に大人になったガキがそれをたまたま発見して当時を懐かしむ、みたいなギミックがよくあります。でもその落書きはあくまで意図的な傷。
僕の場合は、意図していない傷。悪いことまではしてない。
そう言い聞かせて、今日もまたテーブルから目を逸らす。
みたいな景色を思い出しました。
ロールちゃん、別に出てこないんですね。
記憶を媒介するからといってその媒体そのものが記憶内に登場するわけではない。
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先週買った『プロジェクト・ヘイル・メアリー』、読み終わりました。
以下、内容については触れませんので、未読の方は多分安心してもらって大丈夫です。
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