SHOWROOM『豪の部屋』ゲスト:伊藤雄和(OLEDICKFOGGY)
久しぶりに観た「豪の部屋」は、収録場所が "豪の部屋"ではなくなっていた。
最後に観たのは、岡野陽一回か、いや、トリプルファイヤーの吉田靖直回か…と思い巡らすうちに、いやいや玉袋筋太郎氏の回も観たな、などとも思い出した。
最初に吉田豪氏を知ったのは2015年の岡田斗司夫騒動のときで、それから、生うどんの東理紗が好きになり、KATYちゃんが好きになって、だから後年、西村賢太ファンとしてTVに出てきた尾崎世界観氏も、「あ、この人、かてぃちゃんがMVに出てたバンドの人だ」との認識であった。
それはさておき、此度の「豪の部屋」は当然、オールディックフォギーの伊藤氏による、西村賢太についての言も有難く聞いたが、最も「!!!」だったのは、ここである。
なぜなら、ここは、勿論、当初は私が連れて行ったのだが、けんけんも気に入って、毎回こちらへ来る度に乗せて行っていたからで、吉田豪氏がよく行っていたのは知っていたものの、まさかここで言及されるとは思わなかったのである。
タレント本だけでなく近代文学も置いてあり、神保町などでは到底考えられない値がついていたらしく、「こっちの人間、本の値段、知らねんだろw」と小馬鹿にされながら、通ったものだ。
そう云えば、一度は、何かを売りに行ったこともあり、住所などを言わなければならないのを嫌がっていた。
けんけんが嫉妬深いので、男の人の名前は出さないようにしていたが、雑誌で一緒に仕事をしていたから、まぁいいか、と思った。
「吉田豪も通ってたらしいよ、昔」
「お前、何で知ってんだよ」
「え、何か、知ってる。ツイッターに書いてた」
「俺の仕事の関係の人なんだからよ、"豪さん" って呼べよ」
「嫌だよ。なんか、地下アイドルが知り合いぶってるみたいじゃん」
これは、石原慎太郎や北野武もそうだったが、私などが「さん」付けで呼ぶなどすれば却って失礼だろうし、こっ恥ずかしかった。
で、
「吉田豪が、もう、ゴッソリ買っちゃってるみたいよ」
「それ、いつだよ」
「うーん、何十年か前」
「お前、なんでそんなこと知ってんだよ」
「いや、なんか」
「俺、もう、やだよ。サブカルおばさん…」
「サブカルじゃないし! よく知らないし、サブカル!」
私は別にサブカルに明るくもないのに、あるとき「あぶらだこ」と口にしたのが因で、時々、こう呼ばれるようになった。
多感な時期に読んだ雑誌で字ヅラを憶えただけで、その実態はまるで知らないのに、だ。
2018年に久し振りに会って、「あんた、最近、なに聴いとんじゃ」と言われて、これまた吉田豪つながりで知った眉村ちあきの動画を見せたが、あまり食いつきは良くなかった。
けんけんは、アイドルが全然、好きではなかった。私が若い女の子を見て可愛い、可愛い、と言うと気味悪がっていた。
同じとき、「すげえんだよな、クリトリックリスって奴、いんだよ。どんな名前だよw」と、オールディックフォギーつながりで知ったらしいアーティストを教えてくれたのは、音楽界隈は、文学界隈より堅苦しくない、自由だ、という文脈でのこと。
私はこの人を既に吉田豪方面から知っていたが、しかし、妬かれては面倒なので黙っていた。
2022年の4月にオールディックフォギーのライブに行ったら、対バンを終えたリス氏と客席で隣り合わせたのだが、ステージの伊藤さんを見ながら「かっこええなぁ」と言っていた関西弁が耳に残っている。
けんけん、聞いてる?今、隣にいるんだよ?!?…と思いながら、聞いた。


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