あすは40度予想も “ことしは統計史上最も暑い夏に” 気象庁

29日は関東甲信から九州にかけて猛烈な暑さとなりましたが、8月最後の土・日(30日・31日)はさらに気温が上がる見込みです。関東甲信の内陸部などで40度の危険な暑さになるおそれがあり、熱中症への対策を一層徹底してください。

さらに気象庁はこの夏について「統計を取り始めてから最も暑い夏になる見通しだ」としています。

きょうも各地で猛暑日

気象庁によりますと、本州付近は高気圧に覆われて各地で気温が上がり、29日の日中の最高気温は▽高松市で37.2度▽埼玉県鳩山町で36.7度▽山口市で36.6度▽岐阜市で36.4度▽京都府舞鶴市で36.3度▽福岡県久留米市で36.1度と、猛烈な暑さとなりました。

あす40度予想(埼玉 熊谷)

8月最後の土・日はさらに気温が上がる見込みです。

30日の日中の最高気温は▽埼玉県熊谷市で40度▽名古屋市や前橋市、甲府市で39度▽京都市や高松市で38度と危険な暑さが予想されています。また▽東京の都心や岡山市で37度▽大阪市や富山市、熊本市で36度などと猛烈な暑さも続く見込みです。

あさって39度予想(京都・名古屋)

31日も京都市や名古屋市で39度が予想されるなど、関東甲信から近畿にかけて危険な暑さになる見込みです。その後も気温は高く、東日本と西日本では来週5日ごろにかけて猛暑日となるところがあると予想されています。

“最も暑い夏の見通し” 気象庁

気象庁によりますと、この夏の日本の平均気温はこれまでのところ平年より2度余りも高く、過去の記録を大幅に上回っていて「統計を取り始めてから最も暑い夏になる見通しだ」ということです。

ことしの夏は…

群馬 伊勢崎

<6月>
ことしは6月に東京の都心の真夏日が過去最も多い13日となるなど各地で気温が高く、6月の日本の平均気温は最も高くなりました。
<7月>
7月も北海道で40度近くになるなど危険な暑さが相次ぎ、日本の平均気温は最も高くなっています。
<8月>
また8月5日には群馬県伊勢崎市で41.8度を観測して国内の過去最高を更新するなど、危険な暑さが続いています。

夏の平均気温 今夏は平年比2.3度余↑(6/1~8/28)

日本の平均気温について気象庁は15地点のデータをもとに算出していて、6月から8月の「夏の平均気温」に関してNHKが28日までのデータをもとに速報的に算出したところ、6月1日からの平均気温は平年より2.3度余り高くなっています。

去年とおととしもそれぞれ統計を取り始めてから最も暑い夏となっていましたが、平年との差はいずれもプラス1.76度となっていて、ことしはそれを大幅に上回っています。

要因は… 2つの高気圧の張り出し

最終的なデータは9月1日にまとまりますが、この土・日も気温が高いと予想されていることなどから、気象庁は「ことしの夏は1898年(明治31年)に統計を取り始めてから最も暑い夏となる見通しだ」としています。

要因について気象庁は、地球温暖化などの影響に加えインド洋やフィリピン付近での対流活動が活発だったことから、太平洋高気圧と大陸からのチベット高気圧の2つの高気圧の張り出しが強まり、日本付近が広く覆われたことなどが考えられるとしています。

気象庁 異常気象情報センター
「来週は気温が高く各地で猛暑日が予想されていて、その後も気温の高い傾向は続く見込みだ。熱中症対策は続けてほしい」

今夏 熱中症疑いで100人超が死亡(東京23区)

ことしの夏、東京23区で確認された熱中症の疑いで亡くなった人の数が100人を超えたことが東京都監察医務院への取材でわかりました。

東京都監察医務院によりますと、ことし6月16日から8月27日までに101人が熱中症の疑いで亡くなったことが分かったということです。このうち男性は64人、女性は37人でした。年代別では高齢者が多く70代が42人、80代が32人、90歳以上が11人で70歳以上が全体の84%を占めました。

また屋内で死亡した人は96人で、このうち▽エアコンを設置していない部屋などで死亡した人は11人▽エアコンを設置していたものの使用していなかった人は66人でした。

きょうは27人が搬送(都内)

東京消防庁によりますと、29日都内では、午後9時までに19歳から94歳までのあわせて27人が熱中症の疑いで緊急搬送されました。

このうち、▽14人が中等症、▽13人が軽症だということです。

東京消防庁は、のどが渇く前にこまめに水分を補給することや、室内では冷房や扇風機を適切に使用することなど、対策の徹底を呼びかけています。また、東京都監察医務院によりますと、東京23区では28日、4人が熱中症の疑いで亡くなったことが分かったということです。

熱中症対策の徹底を

30日は関東から九州にかけての30の都府県で熱中症の危険性が極めて高くなるとして、熱中症警戒アラートが発表されています。▽エアコンを適切に使用するなど涼しい環境で過ごすほか▽水分や塩分を補給するとともに屋外の作業ではこまめに休憩をとるなど、熱中症対策を一層徹底してください。

夏休み明け 小学生が日傘で登校

30日に40度の気温が予想されている熊谷市の一部の小学校では夏休みが明け、このうち奈良小学校では朝から強い日ざしが照りつける中、子どもたちが日傘を差して登校していました。熊谷市では熱中症対策として小学生に日傘を配っていて、この学校では今後も猛暑が見込まれるとして日傘を差して登校するよう保護者にメールで呼びかけたということです。

6年生の女子児童は「日傘で日ざしを防ぐことができ、涼しく感じました。10月に運動会があるので暑さに負けないようにみんなで頑張りたいです」と話していました。奈良小学校の小林礼二校長は「暑さが続くので先生が子どもを見守ることはもちろん、子どももこまめに給水するなどして自分の健康を守ってほしい」と話していました。

東北日本海側中心に大気不安定

一方、低気圧や前線の影響で東北の日本海側を中心に大気の状態が不安定になっていて、局地的に激しい雨が降るおそれがあります。30日の夜にかけて土砂災害などに十分注意するとともに落雷や竜巻などの激しい突風、ひょうに注意してください。

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