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2025年春アニメの感想まとめ:絶望的に不作のシーズン

煽ったタイトルだが、個人的な嗜好が明確になったため、それとの乖離が大きかったシーズンというだけで他意はない。今シーズンの諸作品を十分に楽しめた人もいるだろうと思いつつ、個人的な感想をまとめておく。

『前橋ウィッチーズ』

いやー、恐ろしいものを見た。今シーズンの諸作品で個人的に最も高い関心を持っていたのが本作。終わってみれば、女子高生たちの成長譚だったのだが、全体的なグダグダ感の原因を突き止めたい関心の方がより高かった。

感想を簡潔にまとめるなら「やっぱりオリジナル作品って難しいよね」になると思うが、本作は1クール全体の作品完成度を高めるにあたり、細部のアラを改善するところまで手が回らなかった印象だ。

部外者の素人が勝手に推測すると作品の方向性やテーマ、その表現方法などについて主要スタッフ間で大きな意見対立があったのではないだろうか。で、それをまとめきれなかったと。そんな印象の作品だった。
ご当地アニメとして期待していただろう地元・前橋の人たちがどんな感想を持ったのかも気になる。

『ロックは淑女の嗜みでして』

次に熱心に見たのがこの作品。マンガ原作をアニメ化する難しさをあらためて感じた。
これまでに何度も同じ主張をしているが、連載マンガはとにかく連載を続けて話を前に進めることが作者の目的になりがちで、それが1クールで一定の完結を表現するアニメと相性が悪いケースがあると思う。

特に最近では原作マンガのまま忠実にアニメ化することを求められるケースが多いそうで、

  • 原作のストーリーを削ってはダメ

  • 順番を変えてもダメ

  • 勝手に話を付け加えるのはもちろんダメ

という厳しい縛りがあったりもするそうだ。このあたりは原作者(とその権利をもっている企業)の意向次第。

例えば『葬送のフリーレン』ではキャラのセリフも可能な限り原作のままで変えないことを原作者サイドが主張したそうで、その結果、アニメのバトルシーンの表現がイマイチになってしまっていると思う。これについては下記エントリーで説明したので興味があれば、読んで欲しい。

私は基本的に原作未読派なので、「ロックレディ」の原作マンガとアニメの違いは検証してないし、するつもりもないが、例えば、新メンバーとしてシロ(白矢環)が加入する/しないといったやり取りや、最後のチャライ男性バンドとの対バンあたりはもっと工夫の余地があったはずと感じた。

そもそも、極端なお嬢様学校に通う設定を全く活かせておらず、素材自体のポテンシャルはありそうなだけに惜しいと思う。

・・・・・

さて、それなりの関心をもって視聴したのは上記2作品のみで、以下の作品は全くの惰性で視聴した。一応、1クール全部見終えたものだけ列挙すると、

『ざつ旅-That's Journey-』

マンガ原作の旅アニメ。一応、漫画家志望の主人公の成長譚だったようだが、見ていて全く伝わらなかった。各観光地のリアルな風景描写がウリだったのかな? 妙に雲が多くて暗い空が描かれていたりして、取材したときの様子そのまんまということなのだろうか。

観光地の魅力を伝えるなら、嘘でもいいので晴天に置き換えるべきだったと思うが、それ以前に牡蠣が特産の観光地に行って「私、牡蠣ダメなんです」と主人公に言わせるとか、一体どこにケンカ売ってるのか理解できない。何をやりたい作品なのかわからなかった。

『mono』

マンガ原作。女子高生のちょっと変わった日常を描いていたが、内容が場当たり的で中途半端。まぁ、そうした気まぐれさ加減が女子高生のリアルなのかもしれないが、どちらかというと、締め切りに追われる原作者のドタバタが原作マンガに表現された結果という気がしなくもない(知らんけど)
こういうストーリーを望んでいる視聴者はどの程度いるのだろう?(一部にはニーズがありそうだが)

『ウマ娘 シンデレラグレイ』

『ウマ娘』については最近下記エントリーを投稿したばかりだが、題材となるリアルな競走馬の戦績や生涯が劇的だからといて、それを物語化したときに劇的なドラマが出来上がるとは限らない。

本作の場合、オグリキャップを空気読めない系の朴念仁(僕人参ではない)キャラに設定した時点で、物語の幅が決まってしまったように思う。
それが悪いとは言わないし、原作マンガ以前から『ウマ娘』の設定として存在していたようなので仕方ないのだが、主人公・オグリキャップを魅力的に描く足かせになっているように感じる。

ドラマは主人公の感情の揺れを表現して視聴者の感情移入を促すのが定番手法だが、本作のオグリキャップは感情の幅が小さい。それが『新世代の扉』のジャングルポケット(ポッケ)との大きな違いだ。
本作は分割2クールだし、原作も続いている(?)ので物語の完結はまだ先だが、今後、オグリキャップはどのように描かれるのだろうか。

『日々は過ぎれど飯うまし』

P.A.WORKS制作のオリジナルアニメ。途中切り寸前だったが何とか気力を振り絞って最後まで見終えた。
第1話感想でも述べたが、誰が何を考えるとこういった作品が出来上がるのか大変興味がある。本気で企画書を読みたい。

素人が勝手な想像をするなら、外部からとやかく言われにくいオリジナル作品を所属社員育成の場として活用するのがP.A.WORKSの考えだったのだろうか。
上述した『mono』と似て、女子大生のちょっとした日常を描く作品なのだが、どんな視聴者をターゲットに設定しているのか気になる。

某ロボットアニメ

今シーズンの話題を独占していた感のある例のロボットアニメ。個人的には人手と時間をかけて、こんな2次創作をやるべきだったのか非常に疑問だ(異論は認める)
まあ、ビジネス観点ではこれだけ話題になれば大成功だよね。特に若い世代にファーストを訴求する効果は大きかったらしいし。

『リコリス・リコイル Friends are thieves of time.』

そういえば『リコリコ』のショートムービーも今シーズンという扱いでよいのだろうか? これは上記の別エントリーを立てているのでそちらで。
ともかく『リコリコ』の本格続編を作り出すのは相当な困難が伴うと思う。

というわけで、個人的な興味にこだわり過ぎたのが今シーズンの反省点かもしれない。早くも次シーズン(2025年夏アニメ)が開始されるが、もっと寛容な心でいろんな作品を受け入れる準備をして待ち構えておこうと思う。


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