献血39人分を廃棄 業者運搬時の不適切管理で「品質が保証できない」赤十字血液センター

厚生労働省=東京・霞が関
厚生労働省=東京・霞が関

東京都赤十字血液センターが献血で集めた39人分の血液が、運搬業者によって適切に管理されず、品質が保証できないとして、使用できなくなっていたことが29日、厚生労働省への取材で分かった。日本赤十字社は厚労省に報告、血液は廃棄されたという。

厚労省によると、東京都大田区のJR大森駅前の献血会場で採取された血液が16日、日赤の施設に運ぶため業者の担当者に渡された。担当者が搬送車の駐車場の場所を忘れたため、血液を持ちながら車を捜し、施設に届くまで通常よりも大幅に遅延した。

血液は検査後に血液製剤として使われる予定だったが、センターは安全面を考慮し「品質が保証できない」として使用しないことを決めた。センターでは5月、血液製剤を保管する冷凍庫の電源が落ち、献血を集めて製造した新鮮凍結血漿(FFP)約1万3700本が輸血に使えなくなっていた。福岡資麿厚労相は29日の記者会見で「原因究明と再発防止策を講じるよう要請した」と述べた。

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