「高層マンションに住み、子ども二人は留学」 「インプラント詐欺」で1億円以上だました歯科医の金満生活

INCIDENT 国内 社会

  • ブックマーク

だました金で金満生活

 被害者の面々が驚愕(きょうがく)したのはそれだけではない。

「人をだまして得た金で優雅な生活をしていたのです。千葉市内の農家出身の高橋は1996年に東京歯科大学を卒業後、02年にTDOを開業していますが、それまで北海道の小樽の歯科医院で勤務していました」(前出の男性患者)

 その医院は、妻の実家。

「高橋の奥さんは大学の同級生で“ミスおたる”にもなった歯科医。TDOの開業前後に子どもを2人もうけています。子どもたちには小さいころからゴルフや水泳など、さまざまな習い事をさせていた。一家は千葉市内の高層マンションで暮らし、食や健康、教育には惜しみなく金を使っていましたね」(同)

“子どもが東京歯科大に合格した”とウソをつき……

 こうした金満生活がたたったか、13年ごろからはTDOの賃料を滞納するなど自転車操業状態になった。

「16年、TDOの患者から1000万円単位で金を借りて逃げています。にもかかわらず、同時期に子ども二人をオーストラリアに留学させ、帰国後、子どもの一人が東京の学校に入り、その通学用に元麻布の高級マンションに移り住むぜいたくもしていた。“子どもが自分と同じ東京歯科大に合格した”とウソをつき、入学資金の補填名目で借金を申し込んでいた例もあります」(前出の男性患者)

 そして20年に入ると、

「コロナ禍でTDOの経営がいよいよ危うくなりました。タチの悪い高利貸しから借金し、TDOの患者からも次から次へと金を引き出そうとした。そのうちの一件が、今回逮捕された事件だったわけです」(同)

 23年ごろには離婚。化けの皮が剥がれた歯医者は敗者となり潜伏生活を送った末、万事休すとなったのだ。

 関連記事【危険なインプラント詐欺が…「健康な歯まで抜いて治療せず」 “負債総額19億円”の悪辣な手口に警察も捜査を開始】では、高橋容疑者によるインプラント詐欺の結果、「食べ物がロクにかめず、ほとんど飲みこむしかない状態」にまでなったという被害男性の証言などを報じている。

週刊新潮 2025年7月3日号掲載

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。