福島の公立病院看護部長を書類送検 自民候補支持呼びかけた疑い
7月の参院選で看護師の政治団体出身の自民候補らへの支持を部下に呼びかけたとして、福島県警が「公立藤田総合病院」(同県国見町)の看護部長の女性(59)を公選法違反容疑(公務員の地位利用)で福島地検に書類送検したことがわかった。19日付。容疑を認めているという。
県警によると、看護部長は参院選の期間中、比例区と福島選挙区に立候補した自民候補2人への支持を呼びかける文書を作って院内で配り、看護師約240人の上司としての地位を利用した選挙運動を行った疑いがある。
看護部長は十数の職場の部下に文書を配り、それぞれ内容を周知するよう指示。文書は回覧されたほか、掲示されたり、朝会で内容が口頭説明されたりしたという。
看護部長は院長、副院長に次ぐ幹部で、看護師らの人事や評価に関する権限を持っていることから、県警は、地位を利用した選挙運動だったと認定した。
支持が呼びかけられたのは、看護師の政治団体の組織内候補として自民から比例区に立候補した候補で、福島選挙区でも自民候補に投票するよう求めていたという。2人とも当選した。
病院は国見町、桑折町、伊達市の3市町でつくる組合が運営し、福島県北部の医療拠点になっている。病院によると、看護部長は内部の聞き取りにも、文書の配布を認めているという。病院は「捜査を受けるまで病院としては事態を把握できていなかった。捜査に協力し、起訴の有無を待って対応を決める」と説明している。
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