デジラマを秒で作れる時代がきた!AIによる画像の自動切り抜きで驚異的な精度を誇るアプリ「Photoroom(フォトルーム)」を試してみる
プラモデルやフィギュアなどを趣味とする、一部のホビー愛好家の間で「Photoroom(フォトルーム)」というAI画像編集アプリが広がりを見せています。その主な要因は、AIによる高精度な画像切り抜きと自動背景、直感的に操作できるUIとのこと。この記事では、そんな「Photoroom」の紹介と実際に使用してみたレビューをお届けします。
かくいう筆者も、編集部からレビュー依頼を受けるまでは「Photoroom」なるアプリの存在は把握していませんでした。数年前にX(旧Twitter)などで、自作のガンプラ風パッケージ画像を投稿するムーブメントがあったのですが、調べを進めると、その画像を作成するために使用されていたのが当該アプリだったことが分かりました。「アレか!」と思い出せる方も少なくないのではないでしょうか。
「Photoroom」を提供するのは、フランス・パリに拠点をおく、自社サービスと同じ名称のPhotoroom社。先にも述べた通り、「Photoroom」第一の強みは“AIによる高精度な画像切り抜き”ですが、iPhoneにプリセットされているアプリやAdobeの「Photoshop」、OpenAIが公開している「ChatGPT」、GoogleのAIアシスタント「Gemini」、Xのチャットボット「Grok」などなど……(良くも悪くも)AI技術全盛の今、自動切り抜きの技術自体は珍しいものではなくなっています。そんな昨今ですが、なかでも「Photoroom」はAI自動切り抜きの分野では先駆者的存在で、全世界で累計3億回ダウンロードもされている、最も利用されているAI画像編集アプリなんだとか。それでは早速、その精度のほどを見ていきましょう。
2025年6月17日から30日にかけて、「Photoroom」とタミヤのコラボによるSNSフォトコンテストが行われていたことにちなみ、この記事ではタミヤ製品を撮影対象として選んでいます。まず初めの被写体は「1/32 フルカウルミニ四駆シリーズ No.49 1/32 トライダガーWX(ARシャーシ)」です。元画像はこちら。何の変哲もない、ノートパソコンの上に置いただけの状態です。
「Photoroom」のアプリ上で写真を選び、ワンタップで瞬時に自動切り抜きされた画像がこちら。特に被写体選択の指示もしていませんが、パッと見でもだいぶキレイに切り抜かれているのが分かると思います。
とはいえ比較対象がないと判りにくいと思うので、同じ写真を他サービスで処理してみた画像も添えておきます。オブジェクトを自動判別させ、切り抜いた画像がこちら。トライダガー自体の識別は上手くいっていますが、「Photoroom」と比較すると全体的な輪郭がぼやけており、カウルやフロントバンパーは一部ジャギジャギしてしまっています。タイヤ部分にも不自然な処理が見受けられますね。
また、切り抜いた画像を入れ替えるだけでプロフェッショナルな画像を作成できるテンプレートも豊富なバリエーションで、お手軽に画像編集の楽しみを味わえます。
なかには、公式ロゴを使用した市松模様や、レースコースを疾走する様を捉えた画像を出力できるタミヤとのコラボテンプレートも(コラボテンプレートは2025年8月31日までの期間限定)。被写体や背景などのレイヤーごとに編集も可能なので、今回は薄暗い環境での撮影により暗く写ってしまったトライダガーの明るさを調整しています。被写体と背景を合成するだけでなく、プリセットされた各種エフェクトや、別途取り込んだ写真をあわせてデジラマ的な画像を作ることもできます!
またトライダガーのイメージにあわせて、山中でのレースを思わせる画像作成にもチャレンジ。「森の中」というざっくりとしたキーワードを入力してみると、AIがいくつかの候補を出してくれました。そのなかから、欲しいイメージに近い背景を選択。同じワードでも木の生え方や光の入り方などにも差異があるので、色々とイジっているうちに時間を忘れてしまいます。
続いての被写体は、「1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.318 1/35 フィンランド軍突撃砲 BT-42」。先ほどと同じ条件で撮影した写真を、同じように自動切り抜きしてみました。車体はもちろん、ギザギザとした履帯の突起感も分かるくらい精細にシルエットが出ています。
こちらは『ガールズ&パンツァー 最終章』第4話のクライマックスシーンイメージで画像を作ってみたいと思ったので、雪山の背景を探します。編集画面ではAIが生成してくれる背景のテンプレートもあり、そのなかに今回の条件に合致しそうな「スノー」「雪山」がありました。テンプレートを使用することで、被写体と背景が自然と馴染むような画像が出力されました。
こちらはオマケ。夜に出会った猫ちゃんを、障害物越しに撮影した写真です。個人的に、有機物と無機物が混在するような画像を自動選択で切り抜くのは難しいイメージでしたが、「Photoroom」ではそれもお構いなし。構図的に前に来てしまっている障害物もあわせて切り抜かれていますが、編集モードでは消したい対象や、逆に追加したい対象を指でなぞって選択することも可能です。
自動切り抜きや背景合成のほか、テキストの追加やぼかし加工、不要なものを消せる消しゴムツールや影の生成など、写真の加工アプリとして欲しい機能はひと通りそろっており、できることは多岐に渡ります。出力形式を「.jpg」「.png」「.webp」から選択できるのも地味に便利。
また個人的にいいなと思ったのが、アプリの使い方が分からない時にガイドしてくれる動画が用意されていること。この手の画像加工アプリは機能が良くても使い方で詰まることが多く、検索してみてもクリティカルな答えにたどり着けないという経験が何度もありました。「Photoroom」はフリマアプリなど個人レベルの売買から、本格的なビジネス用途に至るまで、全体的に商用利用を強く意識したスタンス(そもそもMaxプランがビジネス向け)。複数人で利用できるチーム機能や、Maxプラン限定の機能として複数画像の同時処理も可能です。そういった背景から、類似の他アプリに比べてサポートが厚めなのかなと感じました。
総評ですが、切り抜きの精度が高いとは聞いていたものの、正直なところ想像以上でした。記事に使用している写真以外にも色々と試してみたのですが、ほぼ言うことなしです。今回はミニ四駆と戦車のプラモデルを例にしましたが、人型のアクションフィギュアでも手軽に切り抜き&デジラマ作成が楽しめそう。趣味を充実させるプライベート的な利用はもちろん、仕事柄、取材で撮影した写真に切り抜き加工をすることもあるので、真面目に仕事用のツールとして導入することも考えています。基本無料のプランに比べ、より上位のProプランでは画素数の出力が異なり高解像度、自動生成される背景の種類も多くなるとのこと。そのさらに上位のMaxプランではAI性能が最高峰になり処理速度が向上、250枚までの画像の一括処理可能になるとのことです。両プランともに7日間の無料トライアル(更新前に定期購入を解約すれば請求ナシ)もあるので、気になった方はぜひ一度お試しあれ。
DATA
Photoroom
- フォトエディター
- 無料版…標準解像度
- Pro版…月額1,200円・年額8,000円、高解像度(HD対応)、高度編集機能付き
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