【8月28日 AFP】米国のドナルド・トランプ政権は27日、ワクチン懐疑論者として知られるロバート・F・ケネディ・ジュニア厚生長官との対立の中で辞任を拒否した疾病対策センター(CDC)のスーザン・モナレズ所長の解任を発表した。

健康科学者で長年公務員を務めてきたモナレズ氏がCDCの所長に就任してから1か月経過していないものの、ケネディ厚生長官が率いる保健福祉省はX(旧ツイッター)に、「彼女はもはや所長ではない」と投稿した。

ホワイトハウスのクシュ・デサイ報道官はAFPにあてたメールで「スーザン・モナレズは再び米国を健康にするという大統領のアジェンダに賛同していない」「スーザン・モナレズは、保健福祉省幹部に辞任する意向を伝えたにもかかわらず、辞任を拒否したため、ホワイトハウスはモナレズをCDCの職から解いた」と述べた。

モナレズ氏の弁護士は「今夜、人事局のホワイトハウス職員から解雇通知を受けた」「大統領に任命され、上院の承認を受けた役人として、モナレズ氏を解雇できるのは大統領自身だけ」と述べ、「われわれはモナレズ博士が受け取った通知は法的に不備があるとして却下するため、彼女はCDC所長の職にとどまる」と続けた。

米紙ワシントン・ポストは解任を最初に報じた際、ケネディ氏が自身のワクチン政策変更への支持を確約することをモナレズ氏が拒否したため、辞任を迫ったと報じている。

ケネディ厚生長官による、米国のワクチン政策の大幅な見直しをめぐる争いが激しくなったことで、CDCの一部職員を代表する組合によると、さらに幹部5人が辞意を表明している。(c)AFP