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自民、引用上位10%論文数「世界13→3位に」 科技計画に反映へ

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自民党は論文の被引用数が各分野の上位10%に入る「トップ10%論文」の数について、10年以内に現在の世界13位から3位へと向上させる目標を打ち出す。2026年度から5年間の科学技術政策の政府指針となる「科学技術・イノベーション基本計画(科技計画)」に反映する。

自民党の科学技術・イノベーション戦略調査会(大野敬太郎会長)が27日、研究力再興の施策案をまとめた。トップ10%論文は研究力の指標とされる。日本は韓国やイランなどに抜かれ13位まで低下していた。

調査会の塩崎彰久事務局長は「国による政策の優先順位づけや研究力強化の取り組みを大学や研究機関に十分に浸透させられなかった」と分析する。

研究現場が国のめざす方向性を理解し、協力するインセンティブをつけることが重要との認識を示した。大学のガバナンスやマネジメント改革の必要性も訴えた。

提言案は35年までに「科学研究費助成事業(科研費)」を倍増させ、若手研究者へ重点配分すべきだと強調した。民間企業の研究投資を呼び込むための研究開発税制の創設や研究者と企業をマッチングしやすくするデータベースの作成も掲げた。

人工知能(AI)を活用した研究手法を普及するための戦略を26年春までに策定し、計画に盛り込むことも明記した。

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  • 境家史郎のアバター
    境家史郎東京大学大学院法学政治学研究科 教授
    分析・考察

    研究機関に成果を上げてほしいのなら、政府は現場をできるだけコントロール「しない」ように努めるのがよい。研究者たちは(他のもっと収入が高くなる道を蹴って)好きでその道に入っているのだから、時間とお金がありさえすれば、喜んで勝手に研究を進めるのだ。もちろん怠惰な研究者は存在するが、そうした研究者を勤勉にさせることはどのみち難しいし、勤勉にさせたところで優れた研究ができるとも思えない。そうした「無駄」がありつつも、一部に突き抜けた水準の研究が生まれるような環境づくりが望ましい。昭和期の優れた研究は、そうした(相対的に自由な)環境で生まれたと見るべきだ。

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    加藤雅俊関西学院大学経済学部教授
    分析・考察

    研究力が落ちたのは何故なのか?本当に検証しているのだろうか。国立大学への運営費交付金の減少が大きな影を落としている可能性が高い。この資金は、大学が教育や研究活動を安定的で持続的に行うための基盤的な経費であるが、これが減少することで多くの活動で支障が出ている。その影響は大きく、研究者の負担(研究以外の業務)は増える一方で、十分な研究時間が確保できない。「国による政策の優先順位づけや研究力強化の取り組みを大学や研究機関に十分に浸透させられなかった」という塩崎氏のコメントには、もはや唖然とするしかない(国のいうことを大学が聞かないから?)。アカデミアにとっては、絶望的なニュースだ。

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  • 石原純のアバター
    石原純インペリアルカレッジロンドン 講師
    ひとこと解説

    世界3位ということはイギリスの上にいくと言うことです。 イギリスやアメリカに来ると、サイエンスに対する教育が幼少期からしっかりやられていることに気づきます。どこの都市にもサイエンスミュージアムがあります。 イギリスの大学に憧れてトップ層が集まるように、日本もブランド意識を持たせないといけません。 こういった目標を立てるのはいいですが、イギリスの大学を知っている人間が戦略を立ててイギリス超えを狙う必要があります。

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  • 小玉祥司のアバター
    小玉祥司日本経済新聞社 編集委員
    分析・考察

    世界3位という目標はすばらしいですが、目標を立てれば実現するわけではありません。支援策を実行することが大切で、科研費の倍増や若手研究者への配分強化はしっかり実行すべきだと思います。 一方で戦略的重点投資や博士号取得者増加といった施策はこれまでも繰り返されていて、失敗の連続でした。もしあらためて取り組むのなら、これまでの失敗の原因をきちんと追求して対策を立てる必要があるでしょう。 イノベーションは、予想外のところから生まれてくるからイノベーションです。戦略目標を立てた時点ですでにイノベーションではありません。

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