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島田紳助、以前以後

先日、島田紳助さんがmisonoさんのYouTubeに出たニュースが駆け巡り、当然その動画はバズって話題になった。

島田紳助さんが引退してから、もう10年近く経つのか…
時の速さに驚くとともに、いろいろ思い出すこともある。

私は紳助さんと関係がなかったわけではない。
良くしていただいたし、私にとっては永遠の憧れの方である。これは一生変わらない。

引退以来1度もお会いしていない。
そして、今後お会いするチャンスに恵まれたとしても私は想像を絶するほどに恐縮しすぎてしまい、普通に会話することは難しいだろう。

私は能力の高い人と会うと緊張して調子がおかしくなる…とは何度か記事の中で書いたことがあるが、ダントツでその頂点に君臨するのが紳助さんである。
とにかく顔がこわばり、何をしゃべっても噛み倒す。なぜか平常心でいられなくなる。
リスペクトとは元来そういうものだろう。

私はここで紳助さんとの思い出話を語りたいわけではない。
そんなものは心の中だけで閉まっておけばいい。

『島田紳助の偉大さ』

何がそこまで別次元だったのか?について残しておきたい。
あそこまでの方が忘れ去られることはないとしても、人の記憶は時の経過と共に薄れてゆく。
なので、これは1つの史実として書き記す。
そして、紳助さんのことをあまり知らない人にも、この文章が届いてほしい。
どれだけ偉大な人だったのか…
何が他の芸人と違ったのか…
少し長いかもしれませんが、ぜひ読んでください。

まず、紳助さんのことを語る時に1番言われがちなのは、当然ヘキサゴンや行列における司会者としての顔だろう。

自らを"通りすがりの司会者"と自称し、あらゆる人気番組で司会を務めていた。

2000年代後半、ヘキサゴンや行列は20%以上の視聴率をほぼ毎週叩き出し、視聴率男として紳助さんは芸能界で天下を獲った。

紳助さんは視聴率にこだわる。

「このマシンで出せる最高タイムを出す」と紳助さんはよく言っていた。
ここで言うところの"マシン"=番組企画である。
そして、そのマシンに乗り込むレーサーこそが自分であり、他の誰が司会をするよりも、この番組を面白くするという意味だ。

テレビタレントにもいろんなタイプがあるが、紳助さんは職人気質だった。
そこに自らを"通りすがりの司会者"と自称している意味が隠れており、実際に紳助さんの手にかかれば番組は化ける。

楽屋でどんどんアイデアを出し、スタッフがメモる。発想してから具現化する…その何もかもがスピーディーだった。

そして、MCとして全くラクをせず、とにかく汗をかく。
アイデアも出すが、それ以上に紳助さんはスタジオで全力を出した。

大きな特番ともなれば、収録時間は5時間や6時間に及ぶ時もある。
紳助さんは番組を面白くしようと5時間、6時間しゃべり続ける。
例えオンエアで使われないとしても、ひたすらにスタジオを盛り上げる。
そして「あとは好きなところを使ってくれ」と言わんばかりに、最後はディレクターのセンスに託す。

正直、視聴率を気にしないタレントもいる。
この手のタイプは大手の事務所に守られている人に多いのだが、紳助さんは大手の事務所に所属だったが視聴率を人一倍気にする人だった。

メインを張るテレビタレントが視聴率を気にしないというのはプロボクサーが勝敗を気にしないようなものだ。
勝敗を気にしない…というのは芸能界という不思議な業界ならではの現象であり、他の勝負の世界ではありえない。

紳助さんは自分が番組を背負っている意識が強かったのだろう。責任感が強く、精神的にもいっぱいいっぱいで戦っていた。

ここまで頂上にいる天下人の気持ちを理解できる日は一生訪れない。
山のテッペンは空気が薄く、日々のプレッシャーと視聴率の恐怖は押し寄せてくる。

そのポジションからしか見えない景色があったのかもしれない。
孤独…理解してもらえないイラだち…
本当にしんどかったと思います。
どれほどの苦しみかは理解できないが、本気で苦しんでいたことは容易に予想がつく。

職人気質の司会者紳助さんを表しているのは、実は番組のタイトルにも出ている。

だいたい冠番組と呼ばれるものは、メインの人の名前やコンビ名がつく。

『踊る!さんま御殿!!』
『ダウンタウンDX』
『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』
『ぐるぐるナインティナイン』
『ブラタモリ』

など、冠番組とは当然メインの人の名前が入ることが多い。

だが、紳助さんがメインで持っていた番組のタイトルを挙げてみると…

『行列のできる法律相談所』
『クイズ!ヘキサゴンII』
『人生が変わる1分間の深イイ話』
『開運!なんでも鑑定団』
『世界バリバリバリュー』

これら紳助さんの代表番組に『島田紳助』の名前は入っていない。
司会者の人気やキャラクターではなく、番組の面白さだけを前に出しているとも言える。これは偶然だと思いにくい。

本当に実力だけでテレビの世界のトップに君臨してきた1つの証明だと私は思っている。

「キャーキャー言われてる時にテレビ出るのは当たり前。言われなくなってから出続けるのが本物」と紳助さんがおっしゃっていたのを思い出す。

決して好感度を売りにした方ではなかったし、キャーキャー人気があったタイプでもない。

絵に描いたように、腕だけでのし上がったタレントだったのだ。

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島田紳助、以前以後|ゆじりこ【放送作家・ライター】
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