イスラエルの「ダブルタップ」、攻撃は3回だった
(CNN) イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ南部で医療従事者や報道関係者など少なくとも22人を殺害した病院攻撃をめぐり、国際社会から非難が噴出している。時間差で犠牲者を増やしたこの「ダブルタップ」攻撃では、実際には3回の砲撃が行われていたことが、CNNが新たに入手した映像で分かった。
南部ハンユニスのナセル病院が攻撃されたのは現地時間の25日午前10時ごろ。病院のバルコニーが戦車から砲撃されたと思われ、ロイター通信のカメラマンなどが死亡した。その9分後、救急隊や記者などが駆け付けて被害者を助けようとしていたところを、イスラエル軍が再び攻撃した。「ダブルタップ」と呼ばれる時間差攻撃だった。
CNNが新たに入手した映像で、この2度目の攻撃の際に、実は2回の砲撃がほぼ同時に行われていたことが分かった。犠牲者の数は、この2回目と3回目の攻撃の方が多かったと思われる。
救助隊員やジャーナリストなど、民間人を意図的に攻撃することは国際人道法違反であり、戦争犯罪とみなされる。
最初に攻撃された病院の外階段では、ロイター通信の契約カメラマン、フッサム・マスリさんが取材中だった。午前10時8分ごろ、マスリさんは殺害され、カメラの映像は暗転した。
続く2回目と3回目の攻撃までには約9分の間があった。この間に、救急隊や市民防衛隊、ジャーナリストらが、被害者の救助や取材のために、病院4階の現場に駆け付けた。
ロイター通信の契約カメラマン、ハテム・オマルさんは上の階からその様子を撮影していた。ロイター通信はオマルさんの映像を配信している。
一方、地上からは、アルガドTVが病院の階段で対応にあたる救急隊の様子を生中継していた。この映像には赤いTシャツ姿で取材するオマルさんが映っている。
(AlGhad TV via Reuters)
直後の10時17分ごろ、2回目と3回目の攻撃が病院を襲った。ロイターが配信したアルガドTVの映像は、その瞬間をとらえていた。
AlGhad TV via Reuters
負傷したオマルさんは25日、病院の担架の上でCNNの取材に応じ、「あの階段にはジャーナリストや患者、看護師、市民防衛隊がいた。我々は直接的な標的にされた」と語った。
CNNは同じ瞬間をとらえた別の映像も入手。コマ送りで解析した結果、病院を狙ってさらに2発の砲弾が発射されていたことがはっきりした。うち1発は、救急隊などが集まっていた階段に着弾。直後にもう1発が、ほぼ同じ場所で爆発した。
専門家はこの攻撃について「2台の戦車がこの目標を同時に砲撃した可能性を示唆している」と指摘し、「1台の戦車が『臨機目標』を砲撃したのではなく、より緊密に連携した攻撃だったことをうかがわせる」と分析している。
今回の攻撃では、ロイター通信と契約していたマスリさんを含めて5人のジャーナリストが命を落とした。標的とされた病院4階の外階段は、ロイターやAPなどのライブ中継用カメラを設置するのによく使われていた場所で、記者らが携帯電話の電波を探して撮影した映像などを送信する場所としても知られていた。