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2025.08.26 09:00

グーグル、Gmailユーザーの大半が「パスワードを変更する必要性がある」と認める

One Artist / Shutterstock.com

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既報の通りグーグルは、ハッカーがGmailアカウントにアクセスしており、多数の「侵入成功」の背後に漏えいしたパスワードが存在することを認めた。しかし、今対処すべき別の警告もある。それは、アカウントを安全に保つために大半のGmailユーザーがパスワードを変更しなければならないという点だ。

今月、グーグルが自社で利用するSalesforceのデータベースがハッキングされたことで、「25億人のGmailユーザー全員が危険にさらされている」との多数の警告が出ている。また、グーグルのサポート担当者になりすます詐欺師が、グーグル自身の「AIによる概要」、Google AI Pro以上の契約者向け「AIモード」を利用し、メールや電話でアカウント保有者を狙っているという最新の報道もある。

これらのハッキングや警告の前にも、グーグルはすでに大多数のアカウント保有者に対してアカウントのセキュリティ強化を促していた。具体的には、SMSではない形式の二要素認証を用いること、さらに重要なこととして、アカウントにパスキー(Passkeys)を追加してそれを既定のサインイン方法にすることである。

しかし、多くのユーザーはいまだアカウントにパスキーを設定しておらず、依然としてパスワードに頼っている。せいぜい簡易的な二要素認証(2FA)を併用している程度である。これらの攻撃はすべて、パスワードを盗む偽のサインインページへと誘導し、ときには追加の手順で二要素認証コードの提供をだまし取るか、その必要性自体を回避させる。

次ページ > 今年に入ってパスワードを変えていないなら、今すぐ変更すべき

翻訳=酒匂寛

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2025.08.22 11:15

ブシュロンの輝きに映る“動的平衡”──福岡伸一と探る、世界の美しさの本質

なぜ人間は、美しさを求めるのか。そしてなぜ人間は、ジュエリーを身に着けるのかーー。その答えは、科学と芸術の狭間にこそあるのではないか。生物学者の福岡伸一がブシュロンのジュエリーに垣間見る、科学と芸術が織りなす新時代の美しさに迫る。


人類の発展に科学が大きく寄与してきたことは、紛れもない事実である。そんな科学のなかでも、自然科学の分野において功績を残してきたのが生物学者の福岡伸一だ。彼は中世の画家ヨハネス・フェルメールの研究やミュージシャンの故・坂本龍一との交流など、科学とは対極的と思われがちな芸術や音楽の分野にもコミットしてきたことで知られる。

そして奇しくもフランス屈指の老舗ジュエラーであるブシュロンも、3Dプリンターや宇宙工学など、先端テクノロジーを駆使し、科学と芸術が織りなす革新的ジュエリーを創造し続けている。果たして科学と芸術は、相対するものではないのだろうか。

分かち難い科学と芸術の存在意義

 「いまから約300年前、オランダのデルフトという街に、独学でガラスレンズを研究するアマチュアの科学者アントーニ・ファン・レーウェンフックがいました。そして、同じ街にはフェルメールが住んでいました。あくまで私の想像ですが、2人の間に交流があり、フェルメールがレンズ付きの針穴写真機(カメラオブスクラ)を使って非常に正確な遠近法を表現できるようになっていたとしたら……。そうして、彼の代名詞である光のヴェールに包まれたような絵も生まれたのかもしれません。

17世紀まで遡ると、科学と芸術は非常に近い場所にあったと考えられるのです。それだけではなく、科学者のレーウェンフックと芸術家のフェルメールは、同じ場所で同じような思いを抱いていたのではないでしょうか。それは“世界のことを知りたい。世界の美しさを表現し、成り立ちを記述したい”ということです」

学問としても文化としても、現在では明確に分類されてしまった科学と芸術。だが、“世界を探求する”という存在意義は同じだったはずと、福岡はいう。そして、表現は違えども、現在も同じゴールに向かっているというのだ。 

福岡伸一
福岡伸一

「“世界を知りたい”という原点は同じですが、科学は分析や解析によって、つまり言葉によって“世界の成り立ち”や“世界の美しさ”、“人間とは何か”を記述してきました。対して芸術は、言葉では書き切れない世界のことを表現するために、絵画や工芸、音楽といった非言語的な方法で世界を記述してきたのです。つまり、科学と芸術は補完的な関係にあり、ある意味同じところを目指しているとも言えるのです。 

私は科学者にとって一番大切なことは、謙虚さだと思っています。科学は人間の素晴らしいツールですが、科学だけでは記述し切れないことが必ずある。あるいは科学で説明しすぎると、この世界の美しさや豊かさを取りこぼしてしまうことがある。ゆえに謙虚でいることが大事なのです。私が芸術や音楽など異なる分野の人々と交流するのは、別の世界の美しさや豊かさを補完し、記述してくれるからなのです」

そんな科学と芸術の補完関係を見事に具現化したと言えるのが、ブシュロンがハイジュエリー「カルト ブランシュ」よりラインナップする〈グット ドゥ シエル〉だ。フランス語で“空のかけら”を意味するその名が示す通り、同コレクションに使用されているのは、NASAが宇宙服や宇宙空間の塵を回収するために用いた超軽量素材「エアロゲル」。地球上で最も軽い固体であり、青みがかった半透明の姿は、まさに空のかけらを物体化したような、これまでにない存在感を放つ。それは最先端の科学が生んだ無二の芸術品とも言えるだろう。

エアロゲルをロッククリスタルのカプセルに封入した、〈グット ドゥ シェル〉コレクションのブレスレット。99.8%が空気であり、残りの0.2%はシリカ(二酸化ケイ素)によって構成されるエアロゲルは、まるで空のように青みがかった乳白色の半透明な物質で、どこか神秘的な存在感を放つ。ダイヤモンドとのコンビネーションも美しい。非売品
エアロゲルをロッククリスタルのカプセルに封入した、〈グット ドゥ シェル〉コレクションのブレスレット。99.8%が空気であり、残りの0.2%はシリカ(二酸化ケイ素)によって構成されるエアロゲルは、まるで空のように青みがかった乳白色の半透明な物質で、どこか神秘的な存在感を放つ。ダイヤモンドとのコンビネーションも美しい。非売品

「ブシュロンのように、新しいテクノロジーやイノベーションをジュエリーに採り入れるということは、“新しい詩”をつくることであり、新しい世界の見方をつくることに繋がると思います。空や海の青さは手に取ることができませんが、最先端のテクノロジーを駆使すれば、それを具現化することができる。そう示した〈グット ドゥ シエル〉は、大変革新的なハイジュエリーだと思いました。“自然界は無限のデザインリソース” というのが私の持論ですが、まさに空という自然から着想した素晴らしいデザインです」

動的な世界でジュエリーを身に着ける意味

ブシュロンの「カルトブランシュ」とは“白紙委任”という意味であり、クリエイティブディレクターのクレール・ショワンヌがゼロから思い描く「夢」が出発点となるコレクションである。

〈GOUTTE DE CIEL(空のかけら)〉ネックレス。宝石のように美しくセットされたエアロゲルが使われている
〈GOUTTE DE CIEL(空のかけら)〉ネックレス。宝石のように美しくセットされたエアロゲルが使われている

 〈グット ドゥ シエル〉も「空のかけらを身につけたい」という、彼女の夢から生まれている。だからこそ、福岡のいう“新しい詩”として、身につける者や見る者の心を揺さぶる美しさを湛えているのである。

 「この世界はあらゆるものが流転し続けており、私たち人間も非常に不安定な存在です。私たちのなかでは1日で何億個もの細胞が死に、生まれ変わっている。それでも“私”が“私”なのは、細胞と細胞、分子と分子が関係性を保ちながら置き換わっているからです。これを私は〈動的平衡〉と名付けましたが、この世界は変わらないように見えて、一瞬たりとも同じ状態はなく、常に流転しています。そんな不安定な世界に少しでも抗うために、人間は科学や芸術によって世界を記述しようとしてきました。そしてその記述をできるだけ永く、安定的にし、何らかのレファレンスをもたらしてくれるのが、ブシュロンのようなジュエリーなのです。

 そんな流転する世界において、永遠性の象徴であるジュエリーを身につけることは、ときとして有効だと思います。宝飾品は不要不急の贅沢品と思われがちですが、不安定な生命だからこそ必要なものともいえるのです」

 動的な世界に生きる動的な存在からこそ、永遠の輝きを湛える静的なジュエリーを求める。ブシュロンのジュエリーが人々の心をとらえて離さないのは、人間の儚さに訴えかける普遍的な美しさを湛えているからに違いない。

ブシュロン ジャパン
https://www.boucheron.com


ふくおか・しんいち◎1959年東京生まれ。京都大学農学部の博士後期課程を修了後に渡米し、ロックフェラー大学の分子細胞生物研究室に所属。その後ハーバード大学医学部の博士研究員を経て、京都大学食糧科学研究所講師に就任。のちに同大学の助教授となり、2004年には青山大学院大学理工学部化学・生命科学科の教授に就任。現在開催中の2025大阪・関西万博ではテーマ事業プロデューサーを務め、シグネチャーパビリオン「いのち動的平衡館」をプロデュースしている。

promoted by ブシュロン|text by Yasuhiro Takeishi | Photograph by Yoko Nakata (Maetico)|direction by Akira Shimada

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2025.08.17 09:00

Gmailユーザーに新警告、グーグル偽る「サポート詐欺」増加──今すぐできる3つの対策

SOPA Images / Getty Images

SOPA Images / Getty Images

既報の通りグーグルは、ShinyHuntersという恐喝グループの一部とみられるハッカーから攻撃を受けていることと、グーグルのSalesforceデータベースが侵害されたことによるデータ漏えいを認めた。Google Cloudのユーザーも警告から逃れられない。いわゆる「dangling buckets(ダングリング・バケット)」を用いてデータを盗み出し、マルウェアを配布する攻撃経路の詳細を示す勧告が発表された

Gmailユーザーもまた安心はできず、ハッカーの照準のど真ん中にいる。サイバーセキュリティ事案の3件目として、Gmailユーザーがオンラインのサポートフォーラムで新手の攻撃が相次いでいると報告している。今回、攻撃者はグーグルの正規サポートを装い、電話とメールを併用するハイブリッド手口を採っている。もっともらしく見える一方で危険極まりない。ここでは、25億人のGmailユーザーが知っておくべきことと取るべき対策を示す。

25億人のGmailユーザーに対する、新手の「サポート詐欺」

Gmailのユーザー数は推定25億人、世界人口の約30%に相当すると見られており、サイバー犯罪者がGmailのハッキングに関心を寄せるのは不思議ではない。結局のところ、メールは後続の攻撃に利用できる有用なデータの宝庫である。すべてのメールプラットフォームはハッキングのリスクにさらされるが、GmailはWindowsと同様、その巨大なユーザーベースゆえに際立った存在なのだ。

今回の攻撃に関する最新の警告は、Reddit内のGmailサブレディットへの投稿によるもので、詐欺師がグーグルを装ってアカウントのパスワードリセットを開始し、受信トレイの乗っ取りを狙う手口が詳細に記されている。筆者は以前にもこの種の攻撃を報告してきたが、最近の急増も同じ手口に従っているように見える。被害者はまず、グーグルサポートを名乗る人物から電話を受ける。相手は、不明な第三者が当人のグーグルアカウントをハッキングしようとしていると警告し、攻撃を止めて身を守るにはパスワードのリセットが必要だと助言する。

ここでハイブリッド詐欺の第2段階が動き出す。攻撃者はユーザーにアカウントのリセットメールを送る。詐欺自体は単純だ。そのGmail宛てのパスワードリセットメールには、パスワード変更を試みている本人であることを示すセキュリティ確認コードが含まれている。攻撃者は被害者に、そのコードを電話口で読み上げるよう促し、「グーグルサポート」が被害者のアカウントをリセットして「進行中の攻撃」から守るのだと説得する。もちろん、実際には通話の最中にリアルタイムであなたのアカウントを乗っ取っているだけである。

次ページ > 不具合対応のためグーグルから電話をかけることはない

翻訳=酒匂寛

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2025.08.07 09:00

グーグル、Gmail経由のハッキング被害増加を警告──自分のアカウントを回復する方法

AP_FOOTAGE / Shutterstock.com

AP_FOOTAGE / Shutterstock.com

グーグルは、同社のユーザーを狙った攻撃が大量に増加していることを認めた。特に、メールを介して届けられるパスワード窃取型の脅威は昨年84%増加し、この憂慮すべき傾向は「2025年に入ってさらに激化している」とグーグルは述べる。情報窃取型(インフォスティーラー)マルウェアの危険性を示す報告は枚挙にいとまがないが、ここではアカウントが乗っ取られた場合の復旧方法に関するグーグルの助言を紹介する。

助けて――グーグルアカウントがハッキングされた

グーグルの公式サポートフォーラムやRedditの関連掲示板を覗くと、ハッキングされたアカウントへのアクセス回復を求める投稿が絶えず寄せられていることに気づくだろう。

たとえば、あるユーザーは「ハッカーにアカウントの電話番号と復旧用メールを変更され、ログインしようとするとパスワードが変更されたと表示される」と訴える。別のユーザーは「不審な活動の通知を受け取ったが、確認した時にはすでに遅く、連絡先と復旧情報も変更されていた」と報告する。さらに別のユーザーは「ハッカーがアカウントにパスキーを追加し、ログインのたびにQRコードの読み取りや、持っていないデバイスでの認証を求められる」と嘆く。

米国時間7月29日、グーグルのプロダクトマネジメント担当シニアディレクターであるアンディ・ウェンは、この問題の深刻さを改めて明らかにした。ウェンによれば、攻撃者はフィッシングと認証情報窃取の手法を強化しており、これらが成功した侵入の37%を占めるという。また、アカウント侵害においてクッキーや認証トークンの窃取が「指数関数的に増加している」ことも指摘された。

筆者はForbes.comの様々な記事で、これらの攻撃を緩和するための手順について解説してきたので、そちらも確認してほしい。しかし、最悪の事態が発生し、グーグルアカウント乗っ取りの被害に遭い、あなたの大切なアカウントから締め出されてしまった場合はどうすればよいだろうか。そのアカウントは、とりわけ、あなたのGmail受信箱という機密データの保管庫を開く鍵でもある。パニックになる必要はない。グーグルが対応策を用意している。

次ページ > グーグルアカウント復元のガイド

翻訳=酒匂寛

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