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責任問う議論では解決しない 「望まぬ妊娠」に医師が導き出した答え

インタビューに応じる慈恵病院の蓮田健院長=熊本市西区の慈恵病院で2024年2月14日、中村園子撮影
インタビューに応じる慈恵病院の蓮田健院長=熊本市西区の慈恵病院で2024年2月14日、中村園子撮影

 熊本市の慈恵病院は、病院以外に身元を明かさず匿名で出産できる「内密出産」を独自に導入し、初事例から2023年12月までの2年間に21人の女性が利用した。「望まない妊娠」を巡り「女性の自己責任」と断じたり、逆に「男性が加害者」と決めつけたりする見方がある中、蓮田健院長はそのいずれにも異を唱える。

 日本では、避妊、妊娠、出産の負担と責任が女性に偏っています。各分野で格差解消に取り組むフロントランナーに課題や解決策を聞きました。以下のラインアップでお届けします。
 ・「射精責任」の編集者と翻訳者
 ・ピル処方サービス「スマルナ」を手がけた企業
 ・「男性の加害」を問う作家の桐野夏生さん
 ・DV問題などに取り組む臨床心理士の信田さよ子さん

内密出産する女性の共通点

 内密出産した21人へのアンケートによると、16人は慈恵病院に来るまで医療機関を受診していなかった。内密出産した一番の理由では、「家族に知られたくない」という回答が18人に上った。女性たちには家庭内で虐待されたり過干渉を受けたりした傾向がうかがえた。

 多くは相手の男性にも妊娠の事実を告げていない。男性が「妊娠しているのでは?」と尋ねても、女性は「卵巣腫瘍ができたから」「最近太ったんだ」などとはぐらかすという。

 そうした女性たちに、蓮田院長は「自己肯定感の低さ」が共通するとみる。「親や彼氏に妊娠を告げると見放される、縁を切られる、といった『見捨てられる不安』がある。それまでの人生で女性たちが大切にされてこなかったということ」

やまぬ新生児遺棄の背景は

 内密出産に先立ち、慈恵病院では親が育てられない乳幼児を匿名で預かる「こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)」を07年から運営してきた。新生児の殺害や遺棄などで失われる命をなくしたい思いが根底にあり、22年度までに預けられた子供は累計で170人。だが、遺棄…

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