『町内会』後継不足で存続ピンチ “入会金12万円”!?住民トラブル相次ぐ実態も
町内会ピンチ 加入率減少「辞めたい」本音も
地域社会を支える『町内会』の加入率が下がっています。加入者の減少で、町内会の存続が懸念されています。町内会をめぐるトラブルがある一方で、防災の要としての役割についても見ていきます。 【画像】町内会「いざという時に必要」災害時に果たす役割とは 町内会について、街の声です。 町内会に加入している40代女性「仕事をしているので、子どもだけが家にいる時間があるが、(町内会に入っていると)近所の人が見てくれているという安心感がある」 町内会に加入している70代女性「(うちの町内会は)ほとんどが高齢者。清掃活動も体が不自由、足が悪いなどで、出てこられない人が多い。町内会がなくなると、情報が入ってこなくなるし、特に災害や防犯面で近所付き合いは大事」
町内会に加入している40代女性「子ども同士の交流があるかと思い(町内会に)入ったが、実際はなく、交通安全活動もただしゃべっているだけ。町内会を抜けたいが、顔が知られているので抜けづらい」 町内会を退会した50代男性「(町内会の)会員が減り、公園の草取りや、祭りの準備などの行事が回らなくなった。以前より負担も増え、町内会を続けるのが厳しくなった。地域に対して、責任感がないとやっていられない」
そもそも町内会とは、一定の地域内の住民により形成された、地縁による住民自治組織です。任意の団体なので、加入は強制ではありません。現在、全国で約29万の町内会が存在しています。 町内会では、どのようなことをしているのでしょうか。 ●回覧などでの情報共有 ●防犯・防火パトロール ●ゴミ置き場の管理や地区の清掃 ●地域のお祭りの運営 などです。
しかし、全国での加入率は年々減少傾向で、2021年度には、71. 8%。東京都の加入率は、2023年で41. 4%でした。 放送大学で都市社会学・地域社会学が専門の玉野和志教授によると、「東京の加入率が低い要因の1つは、集合住宅の未加入者の増加」だということです。
なぜ集合住宅での町内会未加入者が多いのでしょうか。玉野教授によると、一般的にはマンションなどの集合住宅の場合、 ●集合住宅全体で、地域の町内会に加入するパターンと、 ●集合住宅全体で、独自の町内会を設立するパターン、 2つのパターンが多いということです。 しかし、実際に町内会に加入するかどうかは、それぞれの住民の任意に委ねられています。 管理組合との違いです。管理組合は、集合住宅の購入者全員が構成員となり、必ず加入するもので、建物とその敷地や施設の維持・管理を目的としています。 一方、町内会は、地域のつながりの構築や、住みやすいまちづくりなどを目的としています。 玉野教授によると、「集合住宅の場合、居住環境のことなどで困ったことがあっても、管理組合が対応をしてくれるため、町内会には加入しないという人も増えている」ということです。