オウム真理教元教祖、松本智津夫元死刑囚(執行時63=教祖名麻原彰晃)の三女・松本麗華(りか)さん(42)が27日、X(旧ツイッター)を更新。韓国の映画祭から招待されるも、同国に入国できなかったことを報告し、思いをつづった。
麗華さんは加害者家族として社会で批判の目にさらされながら生きる自身を追ったドキュメンタリー映画「それでも私はThough I’m His Daughter」(長塚洋監督)が韓国のEBS国際ドキュメンタリー映画祭に選出され、同映画祭から招待状が届いたが、過去に入国を拒否されていたことから、渡韓前にXで不安を吐露していた。また、立憲民主党の有田芳生衆院議員も21日の時点で「松本麗華さんを韓国が入国させるかどうか。それは日本政府の問題でもある。このドキュメンタリーを見れば、いまだ続く日本社会の差別構造の根深さと不気味さを知ることができるだろう」と注目。麗華さんの渡韓前日には「韓国に行けないなら、それは国際問題になりますよ。日本政府も韓国政府も正しい対応をとることです」と投稿していた。
しかし麗華さんは当日、「今のところ、7年前と同じ流れになっている。救いは多くの方に応援していただいてることと、受付の方が柔軟に対応してくださってること。今はimmigrationの判断待ち……」と空港から状況を報告。「今回も搭乗拒否され、韓国大使館などに電話で問い合わせています。しかし、個人情報だから、無理とも……。これから逆転は難しい気がする」とつづっていたが、その後の投稿で「映画『それでも私は』で韓国の映画祭からご招待いただいていましたが、残念ながら搭乗拒否され、韓国に飛べませんでした」と結果を報告し、「韓国の地を踏むことも、韓国で映画を見てくださった方たちと交流を持つこともできず、残念でなりません。韓国に行きたい……」とつづった。
麗華さんの報告に、弁護士の紀藤正樹氏は「これはさすがにニュースなんでしょうね。入国は各国の自由裁量ですが、せめて拒否の理由が知りたいところです。韓国にもオウムの残党がいるということなのでしょうか」と言及。有田氏も「このおかしな対応。日本政府も韓国政府も『個人情報』と言ってご本人にも理由を説明しないようです。当事者の個人にも知らせない個人情報って何でしょうか。政府から聞き取りを行って、必要なら委員会で質問しなければなりません」と問題視した。