ここ最近、我が国は、ガソリンや電気などエネルギー価格が高騰した際に、その影響を小さくするために補助を出すということを当たり前のようにやってきました。
エネルギーを輸入に頼る日本にとって、エネルギー価格の高騰は、エネルギーの使い方を効率化する、あるいは輸入しなくても良い再生可能エネルギーの導入を増やすチャンスでもあります。
それなのに高くなったエネルギー価格を補助で引き下げてしまうと、エネルギー消費の効率化や再生可能エネルギーの導入が進まなくなってしまいます。
地球温暖化が進む中で、ガソリンの暫定税率を廃止すれば、引き続きこれまでと同じようにガソリンの消費を続けていって良いというメッセージを世の中に出すことになってしまいませんか。
エネルギー価格が高騰したときの政策としては、ガソリン代ならば電気自動車やハイブリッドなど、ガソリンの使用量を減らすことができる車両の導入を支援する、電気代ならば、住宅やビルの断熱性能を向上させたり、エアコンや冷蔵庫などの機器を効率性の高いものに買い替えるための支援を導入するなどの政策をとることにより、エネルギーの使用量を減らすことにつながる支援を導入すべきです。
エネルギー消費を下げるための支援は、エネルギー消費の効率化に繋がり、次にエネルギー価格が高騰したときの負担は軽減されます。
同じ予算を投入しても、エネルギー価格を引き下げるための支援は、次に繋がりません。
次にエネルギー価格が高騰すれば、また同じだけの負担がのしかかってきます。
本来は、地球温暖化対策で、ガソリンを含む化石燃料にかかる税金を増やして、その分、電気自動車やハイブリッド、同じガソリン車でも燃費の良い車種にかかる税を引き下げるべきです。
エネルギー価格が上昇して困るけれど、なかなか買い替えまでお金を使うことができない低所得世帯への支援は、ガソリン代や電気代の引き下げではなく、給付付き税額控除の仕組みを導入して、必要な世帯に限って支援するべきです。
給付付き税額控除を導入すれば、エネルギー価格だけでなく食料品価格などが高騰したときにも同じ仕組みで支援を行うことができます。
また、地球温暖化対策の一環としてフィンランドが1990年に世界に先駆けて炭素税を導入し、それを皮切りに各国で炭素税の導入が進んでいます。
排出される炭素に課税することで、炭素を排出しない技術、製品、サービスをコスト的に有利にして、炭素の排出を減らしていこうとするものです。
欧州では炭素税を課している国が少なくありませんが、それによる税収を一般会計に入れて、年金の財源や低所得者層の所得税の引下げ等にも利用したり、税収中立になるように炭素税の税収分を様々な減税に充てたりしています。
日本も、地球温暖化対策となる炭素への課税を引き上げると同時に、その税収を特別会計ではなく一般財源として、社会保険料の引き下げや年金の財源にも充てられるようにするべきです。
ガソリン税の暫定税率だけを議論するのではなく、地球温暖化対策や社会保障の財源、低所得世帯対策などを一緒に考えるべきです。