【西武バス】箱根ケ崎駅

 JR 八高線の箱根ケ崎駅には、入間市駅からの西武バスが乗り入れる。かつては入間市駅から箱根ケ崎駅や拝島駅を経て、立川駅北口に至る全長24.4㎞の長丁場の路線だった。埼玉県教育委員会が昭和49年3月30日に発行した「埼玉県市町村誌・第5巻」によると、入間市駅~立川駅北口間に3往復運行されていた(ほかに箱根ケ崎駅までの区間便あり)。昭和40年代後半に箱根ケ崎駅までに短縮されたようだ。昭和54年10月発行の「西武鉄道時刻表・創刊号」には掲載されていない。後述する通り、立川バスが立川駅北口〜箱根ケ崎駅間を運行しているが、相互乗り入れは行なっていなかった。
 なお、箱根ケ崎駅の「ケ」は、文書によって「ヶ」と混同されているが、当ブログでは基本的に「ケ」を使って記述する。
 さて、箱根ケ崎駅には3往復が発着しているが、運行系統は複雑だ。入市54(入間市駅~扇町屋~三井アウトレットパーク前~二本木~箱根ケ崎駅、10.2㎞)と、三井アウトレットパークに乗り入れる入市44(箱根ケ崎駅→二本木→三井アウトレットパーク→扇町屋→入間市駅、10.6㎞)だが、土休日の入市54は、国道16号線の圏央道・入間ICからコストコホールセール入間倉庫にかけての左車線の渋滞を避けて、右車線を走るため、人事院研修所と船久保工場を通過する「準急」となる。箱根ケ崎駅発は、入市40の三井アウトレットパーク始発入間市駅行の少ない時間帯に、三井アウトレットパーク構内へ乗り入れる。
 入間市駅発箱根ケ崎駅行の平日は▽6:30(入市54)▽15:08(入市54)▽18:58(入市54)、土休日は7:25(入市54)▽15:45(入市54・準急)▽18:20(入市54・準急)、箱根ケ崎駅発入間市駅行の平日は▽7:10(入市54)▽16:00(入市44)▽19:40(入市44)、土休日は8:05(入市54)▽16:48(入市44)▽19:05(入市44)となっている。
 平成20年4月10日に保谷硝子武蔵工場跡地にオープンした三井アウトレットパークへ乗り入れると同時に、国道16号線沿いの宮寺北停留所は「三井アウトレットパーク前」に改称された。平成29年3月25日改正で、土休日日中の入間市博物館行、二本木地蔵前行、箱根ケ崎駅行は「準急」として、人事院研修所と船久保工場前は通過となった。人事院研修所も船久保工場(停留所に会社名が入っておらず、工業団地を指すのか⁉️)も、土休日は閉まっているとみえ、通過しても影響ないのだろう。
 かつて箱根ケ崎駅には、入市44・入市54のほかに所13(所沢駅西口~西所沢駅入口~狭山ヶ丘駅~宮寺~箱根ケ崎駅)も乗り入れており、両路線とも1時間に1~2本運行されていた。しかし、所13は運行区間の短縮と相次ぐ減便のうえ、箱根ケ崎駅に乗り入れるのは、あとからできた小手03(箱根ケ崎駅→宮寺西→狭山ヶ丘駅→西埼玉中央病院→小手指駅南口)が土曜日片道1本となった末、令和7年3月31日限りで廃止された(最終運行日は3月29日)。かつては区間便の箱01(箱根ケ崎駅~宮寺西)も設定されていた。
DSC_7116.JPG↑箱根ケ崎駅行の行先表示は、文字数が多くてパツパツだ。車両はフィンランド(夏バージョン)のラッピングバスとなったいすゞQDGーLV290N1(入間市駅)
箱根ケ崎駅
 箱根ケ崎駅は東京都西多摩郡瑞穂町唯一の鉄道駅となる。八高線は平成8年に電化ののち、今や209系とE231系のワンマン列車が30分間隔で運行されており、キハ35やキハ38などの気動車が行き来していた面影はなくなった。夕方に八王子~箱根ケ崎間の区間列車が設定されている。箱根ケ崎駅近くに車両基地を設置する構想があった。
 駅舎は平成16年に橋上化され、同時に西口が新設された。拝島駅が管理するJR東日本ステーションサービスの業務委託駅となっている。みどりの窓口は閉鎖されており、窓口の案内時間と自動券売機の営業時間は10:40〜18:50と朝が遅い。それ以外の時間帯は無人となる。
 雑然としていた東口は、平成26年にロータリーが整備された。バス待機所も新設されている。東口には西武バスのほか、立川バス、瑞穂町コミュニティバスの「石畑・殿ヶ谷コース」と「元狭山コース」が乗り入れる(立川バスが受託)。メインは立川バスで、立川駅北口行、福生駅東口行、昭島駅北口行がある。メインの立川駅北口行は、複数系統を合わせると運行回数も多い。後述する通り西口にも発着するので、停留所名は「箱根ケ崎駅東口」となっている。
 立川バスは1番のりばと2番のりば、西武バスは3番のりばから発車する。3番のりばの後方に降車場があり、立川バスが使用している。一方、西武バスは3番のりばが降車場を兼ねている。西武バスの白百合型のポールは古びており、立川バスが新品なのと対照的だ。
 一方、西口には店屋がなく、新開地といったところか。立川バスの羽村駅東口行、都営バスの梅70ー1(青梅車庫~青梅駅前~箱根ヶ崎駅前~東大和市駅前~花小金井駅北口)、瑞穂町コミュニティバス「元狭山・長岡コース」が発着する。都営バスは令和7年4月1日に東口発着から西口発着に変更された。箱根崎駅西口に乗り入れるのは平日と土曜日の2往復のみ。なお、都営バスの停留所名は「箱根ヶ崎駅前」と「前」が付き、なおかつ「ヶ」を使っている。のりばとポールは、立川バスと都営バスで共用している。立川バスの停留所名は「箱根ケ崎駅西口」となる。
 このほか、デマンド交通「チョイソコみずほまち」が、東口と西口の両方に乗り入れる。「チョイソコみずほまち」は、令和6年10月1日から令和7年9月30日まで実証実験中で、横川観光に委託している。
 なお、箱根ケ崎駅には多摩都市モノレールが上北台から延伸されることになっており、2030年代半ばの開業を予定している。瑞穂町では都市整備部に「交通政策モノレール推進課モノレール推進係」を設置しており、力の入れようが分かる。めでたく開業したら、西武バスとモノレールを乗り継いでみたいと思っている。用地買収を伴うことから、建設工事は計画よりも遅れるはずで、開業するのは2030年台後半以降ではないかと思われる(一般的に鉄道新線は、計画よりも遅れて開業する傾向がある)。その頃には老害のジジイとなっているはずで👴、果たして元気でいられるかどうか…。
DSC_7119.JPG↑箱根ケ崎駅東口と西武バス
CSC_7166.JPG↑改札口
CSC_7165.JPG↑改札内には瑞穂町の特産品展示コーナーがある。鉄道利用者以外に見てもらうためにも、改札外に展示した方が望ましい
DSC_7147.JPG↑西武バスのりば。白百合型のポールは古びている
DSC_7131.JPG↑立川バスの福生駅東口行
DSC_7135.JPG↑バス待機所が設けられている
DSC_7140.JPG↑ロータリーの「馬の水飲み」の像🐎
DSC_7141.JPG↑「馬の水飲み」の案内文
DSC_7155.JPG↑都営バスは西口発着に変更
DSC_7160.JPG↑ポールは立川バスと都営バスが共用
DSC_7156.JPG↑西口で待機中のデマンド交通「チョイソコみずほまち」

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