大川原化工機冤罪(えんざい)事件は、否認や黙秘をすれば保釈が簡単に認められない「人質司法」の問題点を知らしめた。否認すれば長期勾留されやすい傾向は「実質的なペナルティー」と批判されてきた。検察は自己検証したものの、裁判所の動きは鈍い。
有罪丸のみ、一転保釈
「十分無罪のチャンスはある」。2023年の年明け、汚職事件で被告となった男性を弁護人は懸命に励ましていた。
場所は勾留先の東京拘置所。男性は年末年始をここで過ごした。居室は暖房がきかず、防寒具の差し入れもなかなか認められなかった。「絶対に無罪」と主張していたはずの男性は気弱になっていた。「寒さが気力を削っている」。そう弁護人には映った。
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