ポケモン+ノブナガの野望 クリアレビュー
プレイ時間:80時間程度
総評:70点
「ランセの英雄、2人」クリア済み。
DS時代のポケモン外伝の傑作という評価が多く、個人的に注目してきた作品。だが、期待外れというか、かなり残念な結果に終わってしまった。
よかったところ
最初のエンディングまでは神ゲー。
このゲームの基本システムは本当によくできていて、国盗りシミュレーションとポケモンを見事に融合できている。特にマップギミックが巧妙で、初見だとかなり戸惑うが、要領を掴めばこちらの味方になってくれるような良ギミック揃い。それぞれのポケモンにもそれぞれちゃんと個性と役割があって、DSゆえのシンプルなシステムながらかなり奥深い、よく練られたゲームだと思う。
最初のストーリーはそのシステムを理解するチュートリアルとして最適で、それぞれのマップとそれを使いこなす強力かつユニークな敵ブショーたちとの歯ごたえのある戦いを楽しみながら、このゲームのコツや各マップの扱い方を自然と理解できるような仕組みになっている。ラスボスノブナガ/ゼクロムはかなり強敵だが、アイアンヘッドやおどろかすを駆使してダメージギミックに相手を押し出すことでうんと勝ちやすくなる良ボス。
ただ、ここまでではクリアに10時間もかからないうえ、シミュレーション要素が薄く、評価することはできない。最初のストーリーはあくまでチュートリアルで、このゲームの真価はそのクリア後にある。
わるかったところ
クリア後がヌル過ぎる。
ストーリークリア後、このゲームはエピソードモードに入る。各ブショーごとにマップが用意されていて、天下統一やブショーの数などクリア条件を満たすことを目標とする。総エピソード数は37、最終エピソードであるランセの英雄、二人を出現させるためには最短で18(攻略サイトを見なければもっと)かかり、このゲームのプレイ時間の大部分を占めることになるモードである。
こいつがとにかくヌルい。子供向けゲームに簡単って言っても……という反論はあるだろうが、メインストーリーよりヌルいんだから話にならない。ちなみに、最終マップの「ランセの英雄、二人」もヌルい。終わってる。
なぜこんなヌルい難易度なのか?理由をまとめると、
①練度
前述の通りメインストーリーがチュートリアルとして完璧だったことに加えて、10も20もエピソードやってりゃ流石に練度も上がる。そもそもメインストーリーの難しさは初見マップギミックの寄与も大きく、同じマップで行う各エピソードはそりゃ簡単にもなる。
②敵の強さ
シンプルに、敵が弱い。各エピソードの初期マップでは、プレイヤーとCPUの戦力がだいたい同等になるようになっている。そして、このゲームは他国にイクサを仕掛けて勝つことで大量の経験値が入り、それ以外ではほとんど経験値が入らない。その結果、ガンガン攻略していくこちらだけ成長していき、あまり積極的に他国に進行しないCPUは全く成長しない。というか、そもそもこんなシンプルなシミュレーションゲームでプレイヤーとCPUを同条件にするやつがあるか。
ついでに、プレイヤーに合わせて進化前のポケモンを使っていたりもする。当然、進化レベルに達することはない。
一応、バランス調整として一部エピソードではガバイトイベントと呼ばれるイベントが、こちらが過半数の城を手に入れたタイミングで発生し、近隣の城のポケモンのレベルがこちらと同程度まで引き上がる。しかし、「同程度」までしか上がらないため、相性差で余裕で押し切れてしまう。そして、最終エピソードにはガバイトイベントはない。
メインストーリーでは、常にこちらと同レベルかより強い敵ブショーが現れており、最終進化もしていたので、難易度が保たれていた。
③相性差
メインストーリーでは、全てのイクサに主人公(イーブイ)と、オイチ(プリン)が参加必須だった。弱点を突けず、能力も高くないこいつらを強制参加させることで、ポケモン最大の大味要素「タイプ相性」を誤魔化すことに成功していた。
しかし、エピソードモードではそんな制限はないので、相手戦力を見てガン有利なポケモン6体でイクサを仕掛けることができてしまう。ポケモンというゲームは、タイプ有利ならレベルが相手の半分でも互角に戦えてしまうゲームなので、こうなればそりゃ蹂躙する。
④引継ぎ
各エピソードは独立しているが、何と全てのエピソードでブショーのポケモンと進化状態を引き継ぐ。この仕様自体わかりづらく、毒と悪とドラゴンのポケモンだけで戦おう!というエピソードで自分だけエスパー使えたりするので明らかに好ましくないのだが、これによりエピソードの最初から自分だけヒヒダルマとかデンリュウとか使えたりするので、種族値の暴力が通用してしまう。何を考えてこんな仕様にしたのか不明。
これらの理由により、バランスがガバガバになってしまったエピソードモード。この弊害はふたつあって、
一つは、めちゃくちゃ長いエピソードモードが全部まるまる作業になること。どっかで難しくなると信じて簡単な作業をやめられないのが罠で、俺は苦行を繰り返した最終エピソードまでヌルゲーだった時に軽く絶望した。
そしてもう一つは、80時間もこのゲームをやったのに、まだこのゲームの半分くらいのポケモンしか使えていないことだ。
そう、ヌルゲー過ぎて最終進化に辿り着く前にエピソードが終わってしまうので、進化ポケモンを使うことができないのである。敵ブショーが使ってこないバンギラスとかカイリューとかオノノクスとかは存在すら確認できない。というか、このゲーム、最終進化までのレベルが高すぎなのである。
さらに、ほのおのいしなど進化に必要な道具は、1年目の9月かその後にランダムで行商人が売ってくれることでのみ入手できるのだが、ほとんどのエピソードは9月より前に終わってしまうので、進化に道具が必要なポケモンもほとんど見ることができない。
そしてこのゲームにはブショー進化という要素があるらしいのだが、達成条件のレベルに達したことが一度もないため誰一人として見られていない。
伝説のポケモンも、たいていはブショー進化が条件であるためまだグラードンしか出てきてない。出てきてもベストリンクじゃないため弱い。
このゲーム最大の欠落は、ゲームがヌル過ぎるために、うんと手加減しないと大事な要素を全然味わえないところにある。これはゲームとしてはもう破綻しており、僕にとってのポケナガはたねポケモンが愉快にモノズに蹂躙されるゲームでしかない。そんなポケモンやりたいか?
正直がっかりというか、後半はクソゲーハンターの気分で惰性でやっていた。子供向けというならメインストーリーのハードさは何だったんだろう?というか、わざわざ難易度別に37のエピソード用意しているのに子供向けって言い訳は通らんだろう。
基本システムの出来は本当によかったので温情で70点つけたが、これをありがたがってる大人がいるのは正直わからん。騙された気持ち。



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