無駄遣いは5パターン 「ため上手」への早道診断
「まあいいか」「たいしたことない」…
そんなにお金をつかった覚えはないのに、気がつくとお金が残っていない。こんな無駄遣いの経験がある人は多いだろう。実は無駄遣いにはパターンがある。自分はどのタイプか把握しておけば、お金の使い方が変わり、家計も楽になるはずだ。
そもそも無駄遣いとはどんな支出をいうのだろうか。例えば会社の同僚と飲みに行った時の代金は、必要な費用か、無駄遣いか、人によって意見が分かれるだろう。家計再生コンサルタントの横山光昭さんによると「無駄遣いを把握するには、支出を消費・浪費・投資のいずれかにあてはめて、分類するとわかりやすい」という。
自分を磨く投資
消費は、食料品や光熱費など生活に欠かせない支出のこと。浪費はまさに無駄遣いのことで、衝動買いやギャンブルなどは典型だ。投資はこの場合、株式などの金融商品を買うことではなく、本を読んだり資格を取得したり、自分を磨くための費用を指す。
この分類に沿って考えると、同僚との飲み会でも仕事の人脈作りに役立つものは投資といえる。楽しいけれど、必ず行く必要がない飲み会に何度も行くのは浪費といえるだろう。食料品でも、やたら高額な品物を頻繁に購入するなら浪費といえそうだ。
使っていたお金を改めて分類すれば、当たり前と思っていた支出の中にも、無駄遣いがあるとわかる。それが第一歩。その上で「これまでの生活習慣や他人に流されず、自分で必要なものを判断するくせをつける」(横山さん)ことが、スマートなお金の使い方を身につける近道だ。
浪費を大まかにつかんだら、無駄遣いに陥りがちな思考パターンも把握しておくとよい。表Aを参考にしよう。
まずは「何となく」お金を使ってしまうタイプ。手数料がかかるATMで、何回もお金をおろしてしまう人が典型だ。1回の手数料が105円で月に10回おろせば、年間では12600円かかる。鉄則は手数料がかからないATMの利用。遠出などで普段使うATMが利用できないときは、事前に十分なお金をおろす習慣をつけることが大切だ。
もっと得な方法があるのに「まあいいか」と面倒くさがって、お金の使い方を見直さない人も多い。例えば携帯電話の契約だ。加入時に適切な価格プランを選んでも、仕事や家族の使い方が変わったら、プランを見直した方が得なことは多い。携帯電話会社の料金表とにらめっこしてプランを練り直すのは面倒だが、「最寄りの携帯ショップに適切なプランを聞きに行けば、すぐ見直すことができる」と節約アドバイザーの丸山晴美さん。それだけのことだ。
ついランクの高い商品を選んで予算をオーバーさせる「せっかくだから」タイプや、限定商品に飛びつく「いましかない」タイプも要注意だ。いずれもお金を使う前に、本当に今必要な物か、じっくり考えればやめられるはずだ。
少しお金に余裕がある人に多そうなのは「たいしたことない」タイプ。歩いて行ける所に行くとき、急ぎでもないのにタクシーを使うことがある人は注意しよう。このタイプの人はレシートを保存していないことも多い。レシートを必ずもらい、1回の支出は少なくても、積み重なれば大金になることを確認してみるとよい。
家計簿付け確認
パターンのいくつにも当てはまって、一度には変えられない人もいるだろう。その場合は「一番無駄遣いしていると感じる項目だけでも、家計簿を付けてチェックしよう」と横山さん。ファイナンシャルプランナーの八ツ井慶子さんも「家計簿を見て、いくら使っているか気づくだけで、無駄遣いが減る人は多い」と話す。
無駄遣いを防ぐ基本は、適正な予算をたて(Plan)、その枠内でお金を使い(Do)、計画通りになったか調べる(Check)。改善点があれば次の計画に生かす(Action)。このPDCAサイクルを守ることだ。
パートナーがいる場合は「家計のプランを共有し、一緒に支出を見直すとより効果的」と話すのは丸山さん。自分では必要だと考えていた支出が、客観的に見ると無駄遣いだと気づくこともある。
もちろん、スマートな家計はやみくもに支出を減らせば実現できるものでもない。肝心なのは必要なものにお金を使い、無駄をしないこと。お金を使う楽しみがなければ、節約が長続きしないのも確かだ。単に減らすより予算に無駄遣いの枠を設ける。それくらい余裕をもって、スマートな家計づくりに取り組もう。(田中裕介)
[日本経済新聞夕刊2013年4月23日付]