参院選買収疑い パチンコ店会社代表ら 店長らに投票呼びかけか

先月の参議院選挙で、パチンコ店運営会社の代表らが比例代表で立候補した候補者に投票する見返りに従業員らに報酬の約束をしていた疑いで逮捕された事件で、幹部らは、全国の店長らに候補者の演説動画を送った上でウェブ会議を開き、「業界の発展のためにこの候補に投票してほしい」などと呼びかけていたとみられることが捜査関係者への取材でわかりました。

パチンコチェーンを運営する東京・港区の「デルパラ」の代表、山本昌範、本名・李昌範容疑者(50)ら会社の幹部6人は、先月の参議院選挙の選挙期間中、系列店の従業員60人に対し、自民党の比例代表で立候補していた阿部恭久候補に投票する見返りに、1人3000円から4000円の報酬を支払う約束をしたとして公職選挙法違反の買収の疑いが持たれています。

捜査関係者によりますと、逮捕された幹部らは全国の店舗の店長らに阿部候補の演説動画を事前に送ったうえで「選挙に関する会議」などとするウェブ会議を開き店長らを参加させていたということです。

さらに幹部らは会議の中で「業界の発展のためにこの候補に投票してほしい」などと呼びかけていたとみられることがわかりました。

警視庁は幹部らが店長らに指示して従業員250人以上に対する組織的な買収を行っていた疑いがあるとみて実態の解明を進めるとともに店長や従業員らについても公職選挙法違反の疑いで調べています。

警視庁は、6人が容疑を認めているかどうか明らかにしていません。

阿部恭久氏「全く認識がなかった」

阿部恭久候補は、報道を受けて、「今回のことについては全く認識がなかった。選挙を含めて、違反のないように指導しているなかで、遺憾なことだ」とコメントしています。逮捕された、パチンコチェーンを運営する「デルパラ」の代表、李昌範容疑者とは電話で話したことがあるものの実際に会ったことはないということです。

阿部氏が理事長のパチンコ店団体「選挙に関与していない」

この参議院選挙の比例代表で自民党から立候補した阿部恭久氏は、埼玉県に本社を置くパチンコチェーンの社長で、パチンコ店でつくる全国団体「全日本遊技事業協同組合連合会」の理事長を務めています。

「全日本遊技事業協同組合連合会」は「団体は選挙に関与していないのでコメントできない」としています。

専門家「全国比例の仕組みで有権者を直接買収 非常に珍しい」

警視庁によりますと、報酬を約束されたとみられる従業員らは250人を超えていて、今回の事件での摘発人数は平成以降の国政選挙では最も多い規模になる見通しです。

公職選挙法は、原則、候補者を当選させる目的で、有権者や運動員に金品を渡したり、渡す約束をしたりすることを禁じています。

公職選挙法に詳しい、日本大学の岩井奉信名誉教授は「多くの票が必要になる国政選挙の全国比例という仕組みで有権者を直接買収するというのは非常に珍しい。投票用紙を撮影して送らせていた疑いがあるが、投票をした証明を買収の道具として悪用したとすれば、許されることではないと思う」と話していました。

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