20代の67%が「移動時間は無駄」 旅の意識に現れる〝目的・成長至上主義〟 限りあるリソースの使い方
目的至上主義、バックパッカーは?
この結果をもとに、伊藤さんは「人によると思いますが、バックパッカーとしての旅は、あてもなく、なんとなくふらふらとした雰囲気を楽しむとか、そういう醍醐味があると思います。目的至上主義が旅にまで入り込んだ状況では、そういう旅はしにくいだろうなと思うんですよね」と話します。 背景にあるのは経済的な要因ではないかともいいます。 「物価高や円安も、目的至上主義に影響しているようにも感じます。限られたリソースをどう使うか考えたときに、『いかに自分の役に立つか』『いかに目的達成に役立つか』を考えざるを得ないところはあるんだろうなと思います
「海外に行きたくても行けない」若者高い傾向
では、若者は「旅をしたい」とは思っていないのでしょうか。 伊藤さんの調査で「海外に行きたいけれど、行けなかった経験」があるかどうかを尋ねたところ、全年代の中で20代が最も高かったといいます。 「金銭的な負担の部分に加え、2023年5月に新型コロナが5類に移行するまでは、外出は自粛する社会情勢でした。比較的留学や旅行がしやすいとされている学生時代にコロナによって外出が阻害された経験を他の世代以上にしているのが、いまの若い世代です」 また、「自分が移動したい時に決定できるか」という質問に「はい」と答える人の割合は、若年層ほど低い傾向にあったといいます。 「50代以上では半数以上で自分が決定権を持っていると答えているのに対し、20代と30代では30%台。そこは明確に差が出ています」
「海外で何かしたい」パッション、矛先が国内に?
伊藤さんは「地域おこし協力隊」などのかたちで地方に移住した若者への聞き取りを続けています。 「ここ5年くらいの聞き取りの中で顕著なのが、『実は、昔は青年海外協力隊とかいいなって思ってました』とか『海外に行って何かしたいと思っていたんです』という人が多いことです」 伊藤さんは「コロナの影響や物価高などで海外に出にくくなったこの数年間の間に、国による地方創生の動きなどの影響もあり『自分のやりたいことが海外ではなく国内の地方でもできることに気付いた』という人が、地方移住しているということなんです」と話します。 「仮説」と前置きした上で、「20~30年前であれば海外に向かっていた人と、同じようなマインドやパッションを持った人が、いまは国内の地方に向かっている可能性もあると思います」と話します。 一方で、内向き傾向については「海外は怖い、治安が心配という心理的な理由もあり、日本語が通じるところ、コンフォートゾーンから出ず、リスクをとらなくなってきているともいえます」と指摘しています。 <若者のひとり旅> みなさん、旅行は好きですか?お金や時間が必要で、かつ天気やトラブルなど不確実性の高い「旅」は、〝コスパの悪い娯楽〟とも思われるかもしれません。令和を生きる若い世代は、どんな旅行をしているのでしょうか。なかでも「ひとり旅」をする理由は?そして、旅行をしない・できない理由とは?多方面から読み解きます。 ◇ 若者のひとり旅のエピソードを募集中です。 【回答はこちらから】https://forms.gle/ajPJy1f1mZLsiVkf7