財政力指数の低い自治体を狙っている
島田氏以外にも、この肩書を商売に使う人は大勢いるという。実情を知らない自治体職員は、まんまと利用されてしまうのだろう。
先ほどの音声データに残った島田氏の発言からは、傲慢な態度が窺える。
「やりたい、と言わせたらこっちの勝ちで、あとは言うことを聞かせる。
(……)地方議会なんてそんなものですよ。雑魚だから。俺らのほうが勉強しているし、分かっているから。言うこと聞けっていうのが本音」
島田氏がここまで自治体をコケにするのは、「寄付金還流」の手法が全国の自治体で通用することを知っているからだ。
実際のところ、企業版ふるさと納税の制度設計には、今も同じ不正を可能にする欠陥がある。合法的に地方の自治体に入り込み、公金を吸い上げる輩が他にもいる可能性は十分にあるのだ。島田氏はこうも語っている。
「大企業が狙わない、0.5以下の財政力指数の自治体を狙うっていうのが、うちの攻めなんですよ。(全国に)1700の自治体があって、(財政力指数が)0.5以下は900なんで、約1000あるんですよ。(それぞれの予算を合計すると)まあまあ何兆円かになって。これを僕たちは狙っている」
横山氏は取材を進めるなかで、島田氏が国見町だけでなく、北海道の自治体にも入り込んでいたことを突き止めて、危機感を募らせている。