過労死で日本原子力発電の子会社を提訴 50代社員遺族「疲れ果てて逝ってしまった」

日本原子力発電の子会社社員だった50代の男性=茨城県=が2020年、過重労働の末に自殺したのは、会社が疲労や心理的負荷への注意義務を怠ったことが原因だとして、妻ら遺族が25日、子会社などに約1億4千万円の損害賠償を求めて水戸地裁に提訴した。遺族側によると、男性はうつ病を発症して死亡し、23年に労災認定された。

訴状によると、子会社「原電エンジニアリング」の東海支社(茨城県東海村)に勤務していた男性は、現場責任者として放射性廃棄物の処理に関わる業務を担った。人員が不足し、12日間の連続勤務や、1カ月に80時間以上の時間外労働によりうつ病を発症。20年9月に亡くなった。水戸労働基準監督署が労災認定した。

遺族側の弁護士が25日、記者会見し遺族のコメントを公表した。遺族は「どうしてこうなったのかという思いはずっと消えない。(男性は)スケジュールや人材不足について、無理があると常々言っていた。疲れ果てて逝ってしまった主人に一言でいいので謝ってほしい」とした。

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