国際協力機構(JICA)が国内の4自治体をアフリカ各国の「ホームタウン」として認定したことを受けたニュースが、産経ニュースで読まれている。日本とアフリカを双方向に行き来する「人材環流」を見据えて交流を拡大するとしているが、「日本政府が就労のための特別ビザを用意する」との海外報道があり、懸念が広がった。これに対し、JICAや外務省は全面否定している。
ホームタウン認定は、横浜市で開かれた「アフリカ開発会議(TICAD)」に合わせた21日の会合で発表された。山形県長井市がタンザニア、千葉県木更津市がナイジェリア、新潟県三条市がガーナ、愛媛県今治市がモザンビークのホームタウンとなった。認定について、ナイジェリア紙「パンチ」や英BBC放送、英紙ガーディアンは、木更津で就労するための特別ビザを日本政府が用意するとのナイジェリア当局の声明を伝え、SNS上で「移民の受け入れではないか」などと懸念が広がった。
「ホームタウン」に長井、木更津、三条、今治の4市 「移住先では」と懸念の声
木更津市は25日、ホームページで、一部のSNSで投稿されている「移民の受け入れではないか」との懸念を否定する渡辺芳邦市長のコメントを出したが、市役所に問い合わせが殺到した。
これに対し、JICAは25日、移民の受け入れ促進や特別なビザ発給などの現地報道は事実に反するとのコメントを発表。「現地の報道等について、内容の訂正を速やかに行うよう、申し入れを進めている」と明らかにした。
外務省も25日、産経新聞の取材に対し「特別の就労ビザなど検討すらしていない。あくまで交流推進事業の一環で、4市をアフリカ諸国へささげるなどあり得ない」と、SNS上の言説を全面的に否定した。