2027年度までの5年間で総額43兆円の防衛費が必要だという根拠を探ろうと、東京新聞は資料開示を求めたが、防衛省は応じなかった。
政府は43兆円の根拠をあいまいにしたまま、禁じ手だった国債まで投入。その上、さらなる増額の動きが顕在化している。戦後80年。政府は、軍拡の末に破局を招いた先の大戦の反省を忘れたのだろうか。(中沢誠)
防衛費43兆円 当時の岸田政権が2022年12月、防衛力の抜本的強化に向け、防衛力整備計画を策定。2023〜2027年度の5年間に必要な防衛費の総額を、従来の1.6倍となる43兆円程度と定めた。政府は、防衛費を年1兆円規模のペースで段階的に増額しており、2025年度当初予算は8兆円を超えて過去最大を更新した。
◆「予算が通ってから後付けで作っているんじゃないの」
6月下旬、立憲民主党の小西洋之参院議員は、防衛省から示された43兆円の内訳資料にあきれ返った。
たったの2枚。5000億円分の経費しか記されていなかった。
「ほかの内訳は?」と聞くと、防衛省の担当者は「鋭意作業しています」。
小西氏は内訳を示すよう何度も防衛省に求めていた。前回の提供からは、すでに1年半がたっていた。
木で鼻をくくったような対応に、思わず小西氏の本音がこぼれた。「(各年度の)予算が通ってから後付けで作っているんじゃないの」
いつまでに防衛省は残りの内訳を示すのか。東京新聞の取材に、防衛省防衛計画課の担当者は「膨大な量で、整理するのに時間を要している」と説明。いつまでに提供できるかは「軽々には言えない」と答えた。
◆政府に残った苦い記憶
「国債で さあ!もう一機 もう一艦!」
この夏、東京都板橋区の郷土資料館で開かれている戦争展に、戦時中、国債購入を呼びかけたチラシが展示されている。
ポスターの歴史に詳しい田島奈都子・青梅市立美術館学芸員によると、戦時中はチラシだけでなく120種類以上のポスターが作られたという。
政府は戦...
残り 848/1670 文字
この記事は会員限定です。
- 有料会員に登録すると
- 会員向け記事が読み放題
- 記事にコメントが書ける
- 紙面ビューアーが読める(プレミアム会員)
※宅配(紙)をご購読されている方は、お得な宅配プレミアムプラン(紙の購読料+300円)がオススメです。
みんなのコメント0件
おすすめ情報
コメントを書く
有料デジタル会員に登録してコメントを書く。(既に会員の方)ログインする。