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二次元裏@ふたば

画像ファイル名:1745736960501.jpg-(51423 B)
51423 B25/04/27(日)15:56:00No.1306526424そうだねx10 17:17頃消えます
窓の向こう。柔らかな日差しが街を暖かく照らしている。
冬の寒さも和らぎ、心地の良い気温。行き交う人々の足取りも軽いように見えた。
「……」
私は窓から目を離して、部屋の中──正確にはスタジオへ目線を戻す。
折角の音楽スタジオなのに、楽器の音は一つもない。歌声も聞こえてこない。
睦ちゃんも、立希ちゃんも、燈ちゃんも、私も。
誰も奏でようとはしない。
「来ないね」
ぽつりと呟いた私の声に、返してくれる人はいなかった。
今日も祥ちゃんは来ていない。ずっと来ていない。
スタジオの予約した時間が終わろうとしている。
結局また練習出来なかった。
「…帰る」
立希ちゃんは眉間にしわを寄せたまま、譜面立てに置いてあったタブレット端末とドラムスティックをカバンにしまい、立ち上がる。
「あっ…待って!」
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
125/04/27(日)15:56:15No.1306526517そうだねx1
咄嗟に呼び止めて、私は我に返った。呼び止めてどうしたいんだろう。
私の困惑をよそに、立希ちゃんは眉間にシワを寄せたまま振り返る。
「…なに」
「ええと…そうだ、この後どこか寄らない?」
祥ちゃん抜きでどこに行こうというのだろう。
自分でも分かってるのに、その提案は口からするりと出てきた。
「はぁ? 行かないけど」
そして案の定断られる。
けどそのまま帰ろうとしていた立希ちゃんが足を止めてくれた。
それが嬉しくて、私は次いで燈ちゃんに声を掛けた。
「燈ちゃんは? どうかな?」
ノートに落書きをしていた燈ちゃんは、顔を上げず黙々と描き続ける。
白いページをただ真っ黒に塗りつぶそうとしているように見えて、私はあまりそのページを直視できない。
「燈ちゃん?」
もう一度呼びかけると、燈ちゃんはやっと気付いた。
225/04/27(日)15:56:25No.1306526571そうだねx1
「え…あ…」
「どうかな、このあと。みんなでお茶でも」
私の誘いを聞いた燈ちゃんは俯いて、えんぴつをぎゅっと握りしめる。
「う…うん…」
肯定、と捉えて良いんだろう。
口元が緩む。いつものように、ただ寂しくて嫌な気持ちだけで帰りたくないと思っていたのは私だけじゃないように思えて。
「燈ちゃん来てくれるって。立希ちゃんは?」
「…燈が、行くなら…」
私は多分、いま調子に乗っている。燈ちゃんも立希ちゃんも来てくれるなんて。
作っていない明るい声で、私は睦ちゃんにも話しかける。
「睦ちゃんも、行こう?」
こくり、と睦ちゃんは頷き返してくれた。ホッとして、つい声が漏れてしまう。
「よかった…」
本当によかった。ライブが終わって、祥ちゃんが来なくなってしまったあの日から。
スタジオには音も会話もなくなってしまって、ただただ不安だけが溜まっていくだけの時間に変わってしまった。
325/04/27(日)15:56:35No.1306526632そうだねx1
けど、今日はみんなと寄り道できる。
祥ちゃんを待って、待ち続けて疲れていくこの時間がほんの少しだけ明るくなれば。
「みんな先に待ってて! スタジオの次の予約、入れておくから」
やっと笑えたような気がする。
私はどこへ行こうか考えながら、ベースをケースに仕舞うべく手に取った。

「最近、楽器の音聞こえないね」
受付のお姉さんが話しかけてきた。
予約の用紙を書きながら、私は曖昧な返事をする。
燈が慣れた場所のほうが良いでしょう、と祥ちゃんの一声でよくこのスタジオを利用していて。
そうやって何度も利用しているうち、スタッフのお姉さんとも少し会話する程度には仲良くなった。
私達の初ライブのチケットを買ってもらったこともあるから、顔見知り、で済ませるのは悪い気もするけど。
「…ちょっと、メンバーが一人休んでて」
そう、とだけ返してくる。素っ気ない。
けれど踏み込んでほしくはないから、その距離感が今は丁度いい。
425/04/27(日)15:56:56No.1306526749そうだねx2
書き終わった用紙を渡すと、お姉さんは頬杖をついたまま受け取った。
そうして、用紙を眺めたまま呟く。
「…春日影、また聴きたいな」
「え?」
「次のライブが決まったら、教えてね」
次のライブ。練習もままならないのに、そんな先のことなんて考えられない。
なのに、その言葉に苛立つことはなくて、むしろじわりと胸が熱くなる。
私が祥ちゃんを信じて待っていなくちゃ。そう思えて。
「アタシは応援してるから」
「…はい。ありがとうございます」
ぺこりと頭を下げて、私はスタジオの暗い階段を降りる。
入り口に陽が差し込んで、その先で待ってくれているみんなが見えた。
私は自然と溢れた笑みのまま、みんなに話しかけた。
「お待たせ。どこ行こうか」
──過ぎ去った、雨が降る前、ある春の日のお話。
525/04/27(日)15:58:18No.1306527192+
泣いてしまいますわ
625/04/27(日)16:00:54No.1306528000+
一体誰のせいでこんなことに…
725/04/27(日)16:03:26No.1306528757+
つらい…
825/04/27(日)16:05:31No.1306529334そうだねx3
そよりん繋ぎ止めるために色々頑張ったんだろうなと考えると泣ける
925/04/27(日)16:07:24No.1306529884+
決して無駄ではなかったはず
1025/04/27(日)16:10:03No.1306530678+
ライブ前にいいものが見れた…
1125/04/27(日)16:11:05No.1306531009+
色々あったけどガルパのそよさきで良い感じの関係に戻れたの分かって良かった
1225/04/27(日)16:11:44No.1306531194+
>一体誰のせいでこんなことに…
誰も、悪くないんだよ
1325/04/27(日)16:13:38No.1306531791+
そよさきがアニメ後に冗談を言えるくらいに話せるようになってよかったよ…相変わらずさきちゃんはワーカーホリックしてたけど
1425/04/27(日)16:15:24No.1306532321+
多忙な祥子が迷子のライブに行けるようにムジカで役割分担するイベストは来ると思う
1525/04/27(日)16:15:25No.1306532323そうだねx6
そよさきカード引けなかった…読みたいよお…
1625/04/27(日)16:15:49No.1306532438+
そよさきの会話湿度ヤバすぎて笑ったけど最後祥子からお茶の誘いしたところで泣きそうになった
1725/04/27(日)16:15:57No.1306532477そうだねx2
ライブでクライシック期思い出すとうおっ効くっ
1825/04/27(日)16:17:54No.1306533039+
ムジカ関連だとずっと声硬い祥子がそよりん相手だと声ちょっと柔らかくなるのが最高だった
1925/04/27(日)16:18:26No.1306533176+
そよさきいろいろあったおかげで良い関係になれたのかな
2025/04/27(日)16:18:55No.1306533325+
受付の人みたいに待ってる人が他にもいるかもしれない
2125/04/27(日)16:19:30No.1306533487+
>受付の人みたいに待ってる人が他にもいるかもしれない
またね。
2225/04/27(日)16:19:56No.1306533612そうだねx2
>>一体誰のせいでこんなことに…
>誰も、悪くないんだよ
ええそうですわ誰も悪くありません
全てわたくしが愚かなのが悪いのですわ
2325/04/27(日)16:21:03No.1306533929+
反省できて偉い!
2425/04/27(日)16:22:56No.1306534476+
雨そよやライブやガルパの記念カードでクライシックへの感傷が高まってるから…これは効く…
2525/04/27(日)16:25:38No.1306535320そうだねx4
雨そよは面白いのにそよが幸せそうすぎてどんどん続きが読みたくなくなっていく…解散見たくない…
2625/04/27(日)16:35:44No.1306538987+
雨そよ1巻買いたいけどそれに収録される最後の話が丁度解散の話になるんじゃないかって言われてて予約を躊躇してる…
2725/04/27(日)16:49:05No.1306544690+
この後が全部辛い…
2825/04/27(日)16:57:33No.1306548799+
雨そよが迷子パートに突入して何も知らないくせに燈をバンドに誘った愛音へのイライラが言語化されたら温度差でおかしくなってしまう


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