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うな風呂

やる気のない非モテの備忘録

アノニマス

2007年11月07日 | ゲーム日記
18禁のPCゲーム
2006年発売。メーカーはMIRAGE。
公式サイトはこちら(もちろん18禁)

なかなか人と仲良くなれないので、こうなったらキモヲタ層の客を発掘するしかない!
と決意した私は、これからはこのブログをエロゲーレビューブログにしようと思いました。
決して数年間に渡って積んでいたエロゲーを消化しようとかそういうわけではありません。つうか普通に生きてたらエロゲーしようとか思う瞬間がなかなか生まれないよ!
つうか長えんだよ、最近のゲーム、エロゲーまでも。
こちとらもういい歳でいつまでも心も身体も色んな意味で奮い立ったりしないんだよ!
と思いながら、エロゲーを開始する。
あ、ゲームだと気にする人がいるかもしれんので一言いっておくと、結構ネタバレいってるかもしれん。

あらすじ
とある海沿いの田舎町に住んでいた主人公一家。
父は病気ですでにいないが、若く美しい母と、仲の良い一つ年下の妹と共に仲良く暮らしていた。
主人公が高校二年生夏休みのこと、東京から二人組みの女子高生、滝野と由香が観光に訪れる。様々ないきちがいがあったが、兄妹は二人と仲良くなり、主人公は滝野に片想いを抱く。だが、彼女らが東京へと帰る前日、肝試しに行った由香と妹を迎えに出た主人公は、その途中で意識を失う。
次に目覚めた時には一週間の時間が経っており、事態は一変していた。どうやら妹が何者かにレイプをされ、ヒキコモリになってしまったらしい。
傷心の一家は数ヵ月後、東京へと住居を移すのだが、主人公の転校先には例の二人組みの女子高生が在学していた。しかし由香は主人公に怯え、滝野は嫌悪を露にする。
そんな最中、主人公の元に「正義の味方」を名乗る謎の差出人からメールが届く。
「偽善者」「お前の秘密を知っている」
メールはそう告げるが、主人公にはなんの覚えもない。そして「正義の味方」は「ゲーム」をはじめる……
果たして「ゲーム」とは? 犯人の目的は? あの夜になにがあったのか? 主人公の秘密とは?

なんかあらすじが長くなったが、要するにそういう話。
えーと、おれはエロ全般が苦手ではあるんだが、中でも苦手なジャンルがいくつかあって、それはレイプ調教寝取られスカトロSM近親相姦あたりなんですが

だからって全部網羅することないだろ!?

ええ、まあ、わかっていたんですけどね、陵辱ゲーだということは。しかし、そっちの分野はまったく触れたことないので、ためしにやってみてもいいかと思ったりもしたんですが、いや、これキッツイわ。キツイ。本気できつい。創作物読んで死にたくなってきたのは久しぶりだし、嫌悪感と嘔吐感に堪えかねてプレイを何度も中断したのなんて初めて。
この嫌悪感は昔マルキ・ド・サドの『ソドムの百五十日』を読んだ時以来。あの作品はあまりにも稚拙で作品以前の状態なのに、現実感皆無で無邪気なゲロ妄想が構成関係なしでみっちりと詰まっていたのが、その子供らしさゆえに本気で気持ち悪くて、浪人時代だったこともあり夜中にこんなものを読んでる自分に嫌気がさして死にたくなったりした。

話はそれたが、ともかくだから十年ぶりの本気の嫌さ。
まあね、元々僕はNTR(なんかそっちの方面では寝取られをこう略すらしいんですのよ、奥さん)属性があるというか、そういう危うい展開になるとドキドキで嫌な気持ちになりながらついつい読むのを辞められなくなる人なんですけどね。僕のエロゲーほぼ原体験となるEVE burst errorのライター・管野ひろゆきの作品といえばNTR系の開拓者として(一部で)有名なわけですし、だからNTRのいやさはまだいいとし、いや、よくないんだけど。
やはりレイプの連発は厳しい。
なにが厳しいって、このゲーム、多少なりとも分岐があって、全13のEDがあるんですけど、ほんとにもう、すべてのルートが救いがない。
ひどいEDを迎える→よし、新しいルートで多少はマシな方に→もっとひどいEDに→じゃ、じゃあ別のルートなら→またひどいEDに→×α
という、無限連鎖状態嫌展開。どんだほけ嫌がらせなんだよ、これ?
普通の作品だと、ひどいレイプシーンとか、極悪人とかが出てきてもさ、やっばり、結局そいつらが死んだりさばかれたりするから、まだなんとか我慢できるんですがこの作品にはそんなものはない。まったくない。悪人は悪人としてただのうのうと生き、ただ不運だったとしかいいようのない人々は何一つ報われることなく、なにをしてもどんなにあがいてもただ死ぬか狂気に落ちるかするしかない。
本当にもう、およそ最低な作品だ。やってて脳味噌が紐状になって耳からつるつるとそうめんのように垂れて来るんじゃないかと思った。今もわりと頭痛がひどい。

ただ、なんだ、これ、うまいんだよ。
いつ嫌なことが起こってもおかしくない不穏な雰囲気を漂わせながら、ギャルゲーテンプレの展開なんかも用意して、緩急で物語をひっぱり「やだなーやだなー、でも焦らされると心臓悪いし、ああ来るか? いやまだか、あ、来る? まだ? ああもう、いいから早く嫌なこと起こってくれよ!」と思わせる序盤~前半のじらし展開も見事だし、事件が起こってからのいやな部分の描写と物語自体の切れ味のバランスも見事。
SNSサイトをいやな形で登場させたり、携帯という自己の分身の恐怖を描写したり、現代的なサイコホラーとしての小道具の使い方も見事。
ストーリー自体はどこまで行っても救いのないエンドレス不幸ですが、新たなルートに進むたびに少しずつ真実が明らかになっていくサスペンス部分なんて、実にゲーム的な展開で鮮やか。

あの夜の真実、犯人の目的、ヒロインの過去、親しい人間の裏の顔、黒幕の正体……
ミスリードがあからさまな面も多いし、登場人物の少なさから、それだけである程度黒幕がわかってしまうところもあるが、匙加減は巧妙。特に黒幕の正体が、九割方想像できるが最後まで明言されないのには感心した。

本編をクリアすると、数人の人物の視点で事件を別の角度から見ることができるのだが、これがまた本当に嫌。わずかながらにあった本編の暖かな部分の、その裏にあった悪意が明かされていく様は、ばっちり吐き気を催す。物語の中に爽やかな要素は一切残さない。最後の一編まで黒く塗りつぶす、そういう作者の意図に本当に反吐が出る。

アノニマスとは『匿名』という意味らしいのだが、なるほど、名もなく理由もない悪意の存在、それこそが現代でありネット社会であるのかもしれないな、と。

えーと、エロゲーなんだから、グラフィックとかの方にも触れるべきなんだろうか。
画風はどっちかというとディフォルメの少ないほうで、個人的には馴染みやすくて良かった。メインヒロインがロングのクーデレ(いやまあデレるほどの余裕ないけどさ、このゲーム)というのも、自分が一番馴染みやすい形式であった。背景がぼやかした実写になっているのも、作品のテーマ・雰囲気と合致していたし、エフェクトの使い方にも感心した。口パクが異常に滑らかだし、画面をアップしたりひいたりするのが、鬱陶しくないほどには頻繁で、中盤の退屈さを紛らわしている。
移動のシーンなどで背景がスムーズに動いたりするのに、地味に驚いた。エロゲー業界はひたすらにADV作ってるから、ふと気がつくたびに特殊な方向に進化していて驚くことしきり。「基本紙芝居にするしかない」という限定された状況でなんとか差異化を図ろうとする業界のあがきは、なかなか面白いと思うのだが如何?

音楽は、まあ記憶にはあんまりないが、シーンごとにあわせたいやな音楽が流れていた。どちらかというと音声やSEの精神的にいやらしい使い方ばかりが印象に残る。

エロシーンに関しては、こういうので性的に興奮する人はあんまり近くに寄らないで欲しい。これは、ぼくの心からお願いだ。

プレイ時間は、全部でだいたい10~12時間くらいか?
一般的には短いのかもしれないが、自分は「ADVなんて12時間で十二分に長いんだよ!つうかRPGでも24時間くらいで十分だし、40時間越えのゲームを無駄に作るんじゃねえ!」とか思っている人間なので、ベストの長さであった。つうかこれが三十時間とかあったら、俺の心が物理的に死ぬ。

しかし、さっきちょっとネットでこのゲームの評判調べてみたら、そんなに評判良くないというか「プレイ時間が短い」はまだわかるとして、「描写が薄い」「女が落ちるのが速い」「エロさが足りない」とか言われてるな。つうかおまえらどんだけ鬼畜なんだよ。社会復帰しろよ、その感性はやばいよ、つうか素で怖いよ。そう言う一方で泣きゲーとかで泣ける、その精神性に深刻に戦慄するよ!
とか思った。いや、そりゃこれでエロイ気持ちにはならんが、求めるなよ、それを。こういうので興奮するのってホントやばいでしょ、深刻に。

えーと、点数としては80点くらいで。
ラストになんかあればもう5点上乗せしても良かったが、普通にいやなままで終わったので。12時間やっていなや気持ちだけって、それでこれ以上の高得点をあげるのは心理的にかなりの抵抗が……

ああ、疲れた(色んな意味で)
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