ウクライナ戦況

ウクライナ軍がスームィ方面で反撃、ポクロウシク方面は混沌とした状況

DEEP STATEは24日「ウクライナ軍がスームィ方面アンドリイフカから北に前進した」と報告、激戦が続くドネツク州では複数の動きに加え、ロシア人ミルブロガーのДва майораが「美しい報告のせいでウクライナ軍がノヴォエコノミチネからミコライウカに前進した」と報告した。

参考:Мапу оновлено
参考:Зеленский заявил о “очень позитивных результатах на Донбассе” и пообещал подробности позже
参考:Сырский сообщил об освобождении трех сел в Донецкой области
参考:Cводка на утро 25 августа 2025 года
参考:Покровское направление: ОСТОРОЖНО ДРГ ВСУ…

ポクロウシク方面やドネツク南西・ドニプロペトロウシク南東方面では複数の動きに加え、興味深い発表、指摘、報告が登場

RYBARはスームィ方面について「ウクライナ軍がオレクシイウカを両翼から攻撃している」「ロシア軍がコスティアンティニフカを攻撃している」と報告していたが、DEEP STATEは24日「ウクライナ軍がアンドリイフカから北に前進した」と報告し、アンドリイフカとキンドラティフカを奪還したウクライナ軍がオレクシイウカに向っていると強く示唆している。

出典:管理人作成(クリックで拡大可能)

スームィの北と東は広大な森林地帯に守られており、ロシア軍もリマン方面やクピャンスク方面の広大な森林地帯の突破に失敗しているため、もしロシア軍がスームィに向かうなら「広大な森林地帯の突破」ではなく「西への迂回」を選択する可能性が高く、ウクライナ軍がユナキフカ方向ではなくキンドラティフカ方向に予備戦力を投入しているのは「森林地帯で保護されていないホーティン方向への突破」を阻止するためだろう。

ポクロウシク方面やドネツク南西・ドニプロペトロウシク南東方面では複数の動きに加え、ゼレンスキー大統領が24日「当該方面で非常に良い結果が得られた」と発表、シルスキー総司令官も「ドネツク方面でクラマトルスク地区ノヴォミハイリウカ、ポクロウシク地区ミコライウカ、ヴォルノヴァハ地区ゼレニ・ハイを奪還した」と報告、視覚的にもウクライナ軍がヴォルノヴァハ地区トルストイを奪還したことを示す映像、ロシア国防省7月24日に占領を発表したノヴォエコノミチネからミコライウカ方向にウクライナ軍が前進してロシア人兵士を捕虜にした映像が登場。

まだ情報が交錯しているため「具体的な前線の評価」はDEEP STATEやRYBARの報告待ちだが、既にロシア人ミルブロガーのДва майораは「美しい報告のせいで敵がノヴォエコノミチネからミコライウカに前進して我々の兵士を捕虜にした」と指摘、Два майораが引用したロシア在住のジャーナリスト=ポドリャカ氏(親露派と呼ばれるウクライナ人)も以下のように述べている。

“ポクロウシク方面の状況はダイナミックに動いているため、ここの前線ラインは連続しておらず、ウクライナ軍の破壊・工作部隊はロシア軍陣地の間を容易すり抜けることができ、ドローン部隊と連携してロシア軍の後方陣地を制圧している。特に後方陣地を守る兵士は油断している場合が多いため警戒も手薄だ。そしてロシア人兵士を捕虜にして「投降したロシア人は生き残れる」と偽った映像を撮影し、ロシア軍の陣地が大規模な部隊によって突破され「前線ラインが崩壊した」と見せかけようとしている。これはロシア軍にパニックを引き起こすことを目的にしている”

“上記の映像もウクライナ軍がヴォエコノミチネからミコライウカ方向に突破したと見せかせる演出の一環だ。映像の中で生きている捕虜も既に存在しない。なぜなら映像を撮影すれば捕虜は不要となるためだ”

シルスキー総司令官の発表、Два майораの指摘、ポドリャカ氏の報告が事実かどうかは不明だが、特にポドリャカ氏が言っていることは「ロシア軍の破壊・工作部隊が引き起こした問題=ポクロウシク市内への侵入事件やドブロピリア東郊外のロシア軍突破など」の逆バージョンで、如何にポクロウシク方面(もっと言えばドネツク方面全体)の状況が安定的ではないか、どちらも前線を十分にカバーするだけの兵士が不足している現状、少しでも成功を大きく見せようとする情報戦が活発かを浮き彫りにしている。

追記:不満が多いので「ウクライナ戦況に分類した記事」のコメント欄は閉鎖しました。これで「あのコメントが表示されない」「自分のコメントが反映されない」「気に食わないからコメントが消された」という不満を解消できるでしょう。

過去記事のコメント欄も「今後RYBARを”ロシア人ミルブロガーが運営する”と書かれてるが、ミハイル・ズヴィンチュク氏は運営者を自称してるだけでRYBAR自体は殆どが非公開の匿名状態組織だという点は注意。ミハイル氏を雇いロシア人が運営してると印象操作してる場合も有るので、ロシア情報は露政府公式を自分で翻訳して見るのをすすめる」と過去記事1つ1つに書きこむ関西在住の工作員が現れたので閉鎖しました。

関連記事:リマン方面の森林地帯を巡る戦い、ロシア軍がウクライナ軍を追い詰める
関連記事:DEEP STATEがNew York Timesに明かしたポクロウシク方面の状況
関連記事:前線の動きが激しいリマン・シヴェルシク方面、ロシア軍が成功を収める
関連記事:ロシア人も絶望、国防省や国営メディアが偽報告や偽映像で集落解放を発表
関連記事:ロシア軍はシヴェルシク方面で成功を収め、ポクロウシク方面で停滞
関連記事:ロシア軍が現在の攻勢ペースを維持した場合、ドネツク制圧に3年以上かかる計算
関連記事:ロシア軍は本当にチャシブ・ヤールを占領したのか、 それともトレツクと同じか
関連記事:ウクライナ軍はクルスク・スームィで善戦、ロシア軍は東部戦線で前進
関連記事:ロシア軍の効果的な偽情報戦術、集落を占領したと見せかける国旗部隊
関連記事:ウクライナ軍がポクロウシク方面で反撃、ロシア軍の突出部分断に成功
関連記事:ロシア軍の夏季攻勢、ポクロウシクとコンスタンチノフカで着実に前進
関連記事:ロシア軍が夏季攻勢最大の突破、ポクロウシク方面で10km以上も前進
関連記事:ロシア軍がポクロウシク方面で前進、ロディンスケとビールィツィケに近づく
関連記事:ウクライナ人ボランティア、ドローンのせいでポクロウシクの状況は最悪だ
関連記事:ロディンスケを巡る激しい戦い、ポクロウシクの運命を左右する天王山
関連記事:ロシア軍がポクロウシク包囲に向けて前進、コンスタンチノフカも不味い状況
関連記事:ポクロウシクの状況悪化は想像以上、残念ながら街からの撤退は時間の問題

 

※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ

陸自向けのHeron-MkIIはテストと評価が完了、TB2も年内に完了予定前のページ

米空軍の有人戦闘機に随伴可能なウイングマン、まもなく初飛行に挑戦次のページ

関連記事

  1. ウクライナ戦況

    ウクライナ軍、HIMARSでメリトポリとアントノフスキー橋を再び攻撃

    メリトポリの工業地区に配備されたロシア軍部隊がHIMARSの攻撃を受け…

  2. ウクライナ戦況

    市街戦が続くウクライナ都市マリウポリ、ロシア軍が化学兵器を使用か

    激しい市街戦が続くウクライナ南部の都市マリウポリで「ロシア軍が化学兵器…

  3. ウクライナ戦況

    アウディーイウカの戦い、ロシア軍が週末に攻勢を仕掛けて線路を横断か

    ウクライナ人が運営するDEEP STATEは5日「敵は週末に大挙してア…

  4. ウクライナ戦況

    ザポリージャ州の戦い、ウクライナ軍がノヴォプロコピフカ集落内に到達

    ウクライナ軍は初めてザポリージャ方面のノヴォプロコピフカ集落内に到達、…

  5. ウクライナ戦況

    ロシア軍はセベロドネツク制圧に全軍を投入、マリウポリの再現を狙う

    ウクライナ大統領府顧問のオレクシー・アレストビッチ氏は24日、現地メデ…

  6. ウクライナ戦況

    クラホヴェが陥落した可能性、ロシア軍兵士が西郊外で国旗を掲げる

    DEEP STATEは2024年最終日「ロシア軍がポクロウシク方面とク…

ポチって応援してくれると頑張れます!

にほんブログ村 その他趣味ブログ ミリタリーへ

最近の記事

関連コンテンツ

  1. 軍事的雑学

    サプライズ過ぎた? 仏戦闘機ラファールが民間人を空中に射出した事故の真相
  2. 中東アフリカ関連

    アラブ首長国連邦のEDGE、IDEX2023で無人戦闘機「Jeniah」を披露
  3. 米国関連

    米海軍の2023年調達コスト、MQ-25Aは1.7億ドル、アーレイ・バーク級は1…
  4. 欧州関連

    トルコのBAYKAR、KızılelmaとAkinciによる編隊飛行を飛行を披露…
  5. 米国関連

    米空軍の2023年調達コスト、F-35Aは1.06億ドル、F-15EXは1.01…
PAGE TOP