日本維新の会の執行部が、参院選の不振を理由に前原誠司氏が共同代表を退いたことを契機に刷新された。党内では「大阪副首都構想」を推進するため、連立政権の参加容認論も取り沙汰される。維新はこの先どのように進んでいくのか。
大阪副首都構想は、かなり大きな国家プロジェクトだ。2000年代当初、首都機能移転が話題になったが、当時の石原慎太郎都知事の反対で立ち消えになった。
その時、国会等移転審議会の試算によれば、全体費用は12・3兆円うち公費負担4・4兆円の国家プロジェクトだった。副首都を現時点で造るとすれば、同じ程度の予算は必要だろう。関西圏は大阪・関西万博や、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)を契機とする公共事業で活気がでており、大阪副首都構想が実現すれば、さらなる経済成長が期待できるだろう。
一部には大阪副首都構想は府民に2度否定された大阪都構想の焼き直しではないかという批判があるが、それは違う。以前の維新の構想である大阪都構想が、基本的に大阪府市の行政組織の見直しで予算措置は少なく国家プロジェクトでなかった。しかし、大阪副首都構想は、首都機能移転に準ずる大規模予算の国家プロジェクトである。
この意味では、大阪副首都構想について時の政権との協調はマストである。ただし、吉村洋文代表は自公による石破茂政権とは組まないと明言している。この点、石破政権と近く、今年度予算で協力した前共同代表の前原氏とは一線を画している。
維新の政党支持率は、NHKの8月世論調査で3・2%で6位、時事通信の8月世論調査で2・4%で6位と低迷している。国民民主や参政ほどの勢いはなく、自民支持から逃げ出した層の受け皿になっていない。今年度予算で自公に協力したのが、石破政権の延命に加担したとして評判が悪かったし、見方によっては国民民主の減税政策を邪魔したようにもみえる。
一方、教育無償化は減税政策より優先しないという意見が多かったのではないか。その結果、自民とともに沈んだ。
大阪副首都構想で与党と組まざるを得ないが、その時の与党がどのようなものか。と同時に維新も伸びるためには、例えば、失った支持を国民民主や参政から奪い取るような自民でないと、維新はウインウインにならない。そう考えると、維新の復興は自民次第ともいえる。かなり難しい党運営が維新に突きつけられているのが現状といえそうだ。
(たかはし・よういち=嘉悦大教授)
